雛森から欲しい情報を引き出すなど体調が万全でも難しいと改めて気付いた冬獅郎は卯の花の回診を待った。起こらせれば厄介だが情報は正確だし理路整然としている。
やがて訪れた卯の花は冬獅郎の容態に頷き
「これならば直ぐに退院できますね」
「ありがとうございます。ところで松本は」
「今更、あなたが松本さんの事をお知りになる必要がありまして?」
「松本は俺の副官です」
「副官だからって、付きっきりで看病する義務はありませんわ」
何だか卯の花の様子がおかしい。
「松本は俺の女だ。看病して欲しいと思って悪ぃか?」
「あら、日番谷さんは雛森さんと一緒なるものかと。命を捨てて助けるほど大切なお相手ですもの」
「はっ?」
「何故だか霊骸戦の話が広まってまして。『日番谷隊長は、やはり雛森副隊長を思っていた』って噂になっています」
「んな根も葉もねぇ」
「根も葉も無くはないでしょ。普通は『ただの幼馴染み』のために命はかけませんから」
「松本も、それを信じたと?」
「さぁ…。まぁ、あなたが誰を選ぼうが自由ですが、その気もないのに気をもたせるのはよろしくないですわよ」
「こうしちゃいられねぇ、直ぐに松本のとこに」
「あら、まだ退院できませんよ」
「そんな意地悪を」
「意地悪…?下らない怪我をした人を文句も言わずに治療したわたくしがですか?」
「いえ、何も」
(後で抜け出してやる)