冬獅郎が救援先の村の娘を見初めて通っている。
前隊長の取り巻きだった女死神を中心に噂が立ったのは事故から一か月ほど経ってからだった。
確かに、その頃の冬獅郎は復旧援活動の後そのまま村長の家に泊まる事があり隊の作業以外にも偶に村を訪ね難を逃れた丘の上で娘と語らう姿が目撃されていた。
女達は乱菊に高飛車で好奇の籠もった同情を示そうとしたが当の乱菊が常と変わらず、うちしがれた様子もなく晴れ晴れと美しいので上手く行かなかった。
影で『空元気』などと揶揄しても乱菊と並び立てば、どちらが満たされた女かなどは一目瞭然で、乱菊を嘲笑うなど滝の水を下から上に流すようなものだった。
それもそのはず夫婦の事は夫婦にしか解らないと俗に言うように、外から見えているものが全てではない。
外泊していると思われている冬獅郎は明け方には乱菊の布団に潜り込んでいる。
少年の体の小さい頃は己の胸に顔をうずめている冬獅郎のほわほわの銀髪を布団の中に見つけたものだが体躯の大きくなった今は背後から抱きしめ、それだけは変わらないほわほわした銀髪を乱菊の肩口に押し付け回した手で胸に触れるという旧日と変わらぬ悪さをしながら眠っている。
そして起きようとする乱菊を布団に縫い止めて息子達が居ない休日などは昼頃まで仲良く過ごすのだった。
前隊長の取り巻きだった女死神を中心に噂が立ったのは事故から一か月ほど経ってからだった。
確かに、その頃の冬獅郎は復旧援活動の後そのまま村長の家に泊まる事があり隊の作業以外にも偶に村を訪ね難を逃れた丘の上で娘と語らう姿が目撃されていた。
女達は乱菊に高飛車で好奇の籠もった同情を示そうとしたが当の乱菊が常と変わらず、うちしがれた様子もなく晴れ晴れと美しいので上手く行かなかった。
影で『空元気』などと揶揄しても乱菊と並び立てば、どちらが満たされた女かなどは一目瞭然で、乱菊を嘲笑うなど滝の水を下から上に流すようなものだった。
それもそのはず夫婦の事は夫婦にしか解らないと俗に言うように、外から見えているものが全てではない。
外泊していると思われている冬獅郎は明け方には乱菊の布団に潜り込んでいる。
少年の体の小さい頃は己の胸に顔をうずめている冬獅郎のほわほわの銀髪を布団の中に見つけたものだが体躯の大きくなった今は背後から抱きしめ、それだけは変わらないほわほわした銀髪を乱菊の肩口に押し付け回した手で胸に触れるという旧日と変わらぬ悪さをしながら眠っている。
そして起きようとする乱菊を布団に縫い止めて息子達が居ない休日などは昼頃まで仲良く過ごすのだった。