護廷の『南瓜祭』(元柳斎命名)を終えた日番谷親子は荷物を抱えて帰路に着いていた。
何せ子供が居なかったのでやちるや冬獅郎の似非子供を可愛がっていた護廷だ。
竜虎のようなリアル子供が居れば実は子供好きが多いので盛り上がる。
しかも今年は竜虎の通う霊術院の準備クラス(幼稚園)の子供達も招いたので騒ぎは凄かった。
最初は萎縮していた子供達だが、さすがは子供というべきか最後は剣八や狛村にぶら下がって遊んでいた。
優しい性質の狛村は己が恐れられない事が嬉しかったのだろう。散々、相手をして最後はへとへとになっていた。
吉良は包帯を引っ張られ恋次はボルトを叩かれ、檜佐木は矢を弾かれていた。
不憫だが誰にも同情されていない。
竜虎は山のように菓子を貰ったが食べきれるはずもないので大半は十番隊舎に置いて来た。
それでも四人は見事に大荷物だ。
恋次に貰った鯛焼きを抱えている竜太郎がぼそりと言った。
「夜逃げみたいだね」
「あぁ?」
「夜逃げみたいだねって言ったんだ」
「縁起でもねぇ事言うな」
「でも、佐竹君は楽しかったって」
「なんだそりゃ、何か勘違いしてねぇか」
「してないよ。みんなで夜、流魂街へ引っ越してピクニックみたいだったって。それで引っ越してからは、お父さんが毎日帰って来るって喜んでいたんだ。ご飯も一緒だって」
(そいつぁ、仕事がねぇんだろ)
「お前ら夜逃げしたいのかよ」
「ううん。うちはお父さんがちゃんと帰って来るし庭で充分に野菜を育てられるからいい」
最近は外泊などせずにマイホームパパと化している冬獅郎なので胸は痛まないが竜太郎が生まれる以前なら相当に堪えただろう。
自宅に着くと子供達は菓子の袋を開く。
そして中から小袋を取り出し嬉しそうに開けた。
中からは仮面ラ○ダーのカードが出て来る。
「あんた達一日一袋、食べきれる分だけよ」
乱菊の言葉に二人は仕方なく頷く。
だが、翌日から休憩にスナック菓子を食べている十番隊士が目に着いた。
気付かれないように親馬鹿する素直でないお父さんだっ
た。