「御免くださいませ」
掛けられた声に乱菊は立ち上がり玄関に向かった。
玄関を開けるとルキアが一護を背後に伴い立っていた。
「いらっしゃい。待っていたのよ」
乱菊はルキアの手を取らんばかりにして招き入れる。律儀な少女はいくら土産は要らないと言っても必ず手土産を持参する。乱菊は有り難く受け取るとルキアを居間ではなく隣の部屋へと誘った。
そして畳紙を開き、撫子色の小袖を取り出してルキアに着付けていく。
「あの日番谷副隊長」
「着替え終わったら説明するから」
着付けが終わり居間へ行くと一護が茶を淹れていた。
「一護ありがとう」
冬獅郎はルキアを見ると
「朽木、似合うじゃねぇか」
と笑った。
それを聞いて慌て一護も
「馬子にも衣装だな」
と、とんちんかんな感想を言い乱菊に軽く睨まれる。
「日番谷副隊長、これはどういう」
ルキアは同じ質問を繰り返す。
乱菊は何かを思い出すように少し遠くを見てから話し始めた。
「昔ね緋真様と、お買い物する機会があってね。その度に『妹が見付かったら一緒に買い物に来て可愛い着物を誂えてあげたい』って仰っていたの。そして、いつもこんな薄紅系の着物を手にされていたの」
「緋真様は、ご自分の物は青や紫や緑の比較的落ち着いたものが多かったの。でもね、ひょっとしたら本当はこんな可愛らしい色がお好きなんじゃないかなって思ったの」
「だったら好きなの買えばいいだろ。白哉なら幾らでも買えるだろ」
「そうね。幾らでも買ってくれたでしょうね。でも緋真様は朽木隊長の恥にならないようにと、とても気を遣ってらしたから。およそ、朽木家の奥方に相応しくないかもしれないものは身にお着けにならなかった。だから、あたしが勝手に贈った物なら咎められないと思って誕生日にと用意していたの…間に合わなかったけれど」
「もし、良ければ朽木が着てくれないかしら。緋真様が選んだものだと思って」
「しかし…」
「朽木、迷惑じゃなければ貰ってやってくれ。その着物、乱菊じゃサイズ的に着れねぇから」
「日番谷副隊長は姉様を好いてくださっていたのですね…嬉しいです」
「まぁ、知り合ったきっかけは下らない噂話だったけれど今となっては、よく噂してくれたって思うわよ」
「姉様は、どんな人でした?」
「たおやかで優しげなのに、芯の強い方で朽木隊長を、とても大切にしていたわ。結婚したら、こんな奥さんになりたいなぁって」
帰って行く二人を見送ってから冬獅郎は呟いた。
「そんな嫁さん亡くして朽木兄は辛かろうな」
「ええ、亡くなった直後は本当にお気の毒なご様子で」
「お前は、あんまり早く逝くなよ」
「あら、後に残ってくれるんですか?」
「だって、俺無しじゃお前生きていけねぇじゃん。それに俺のがう~~んと若いしな」
「あたしが死んだ後に浮気しちゃやですよ」
「だったら、直ぐに迎えに来い」
掛けられた声に乱菊は立ち上がり玄関に向かった。
玄関を開けるとルキアが一護を背後に伴い立っていた。
「いらっしゃい。待っていたのよ」
乱菊はルキアの手を取らんばかりにして招き入れる。律儀な少女はいくら土産は要らないと言っても必ず手土産を持参する。乱菊は有り難く受け取るとルキアを居間ではなく隣の部屋へと誘った。
そして畳紙を開き、撫子色の小袖を取り出してルキアに着付けていく。
「あの日番谷副隊長」
「着替え終わったら説明するから」
着付けが終わり居間へ行くと一護が茶を淹れていた。
「一護ありがとう」
冬獅郎はルキアを見ると
「朽木、似合うじゃねぇか」
と笑った。
それを聞いて慌て一護も
「馬子にも衣装だな」
と、とんちんかんな感想を言い乱菊に軽く睨まれる。
「日番谷副隊長、これはどういう」
ルキアは同じ質問を繰り返す。
乱菊は何かを思い出すように少し遠くを見てから話し始めた。
「昔ね緋真様と、お買い物する機会があってね。その度に『妹が見付かったら一緒に買い物に来て可愛い着物を誂えてあげたい』って仰っていたの。そして、いつもこんな薄紅系の着物を手にされていたの」
「緋真様は、ご自分の物は青や紫や緑の比較的落ち着いたものが多かったの。でもね、ひょっとしたら本当はこんな可愛らしい色がお好きなんじゃないかなって思ったの」
「だったら好きなの買えばいいだろ。白哉なら幾らでも買えるだろ」
「そうね。幾らでも買ってくれたでしょうね。でも緋真様は朽木隊長の恥にならないようにと、とても気を遣ってらしたから。およそ、朽木家の奥方に相応しくないかもしれないものは身にお着けにならなかった。だから、あたしが勝手に贈った物なら咎められないと思って誕生日にと用意していたの…間に合わなかったけれど」
「もし、良ければ朽木が着てくれないかしら。緋真様が選んだものだと思って」
「しかし…」
「朽木、迷惑じゃなければ貰ってやってくれ。その着物、乱菊じゃサイズ的に着れねぇから」
「日番谷副隊長は姉様を好いてくださっていたのですね…嬉しいです」
「まぁ、知り合ったきっかけは下らない噂話だったけれど今となっては、よく噂してくれたって思うわよ」
「姉様は、どんな人でした?」
「たおやかで優しげなのに、芯の強い方で朽木隊長を、とても大切にしていたわ。結婚したら、こんな奥さんになりたいなぁって」
帰って行く二人を見送ってから冬獅郎は呟いた。
「そんな嫁さん亡くして朽木兄は辛かろうな」
「ええ、亡くなった直後は本当にお気の毒なご様子で」
「お前は、あんまり早く逝くなよ」
「あら、後に残ってくれるんですか?」
「だって、俺無しじゃお前生きていけねぇじゃん。それに俺のがう~~んと若いしな」
「あたしが死んだ後に浮気しちゃやですよ」
「だったら、直ぐに迎えに来い」