本日は、ミニチュア能面のご紹介です。

左から、中将(中将)、姥(うば)、翁(おきな)、般若(はんにゃ)、若女(わかおんな)です。


中将は、在原業平(ありわらのなりひら)の顔を表した面。五男故在五中将とも呼ばれていた。平安初期の歌人で眉の縦線が憂いを表し、悲劇の主人公とつながり「小塩(おしお)」「雲林院」「清経」「忠度」「通盛」に使用。負け修羅の面ともいわれています。

中将のサイズは、横13㎜×縦20㎜です。


姥はお目出度い「高砂」の尉と姥との姿でよく知られているが、能における姥は、普通の人ではなく神の化身であり「伊勢物語」の和歌にある「百年に一年たらぬつくも髪我を恋いふらし面影に見ゆ」の心をあらわした面だといわれています。

姥のサイズは、横13㎜×縦19㎜です。


翁(おきな)は、他の能楽が一つの筋をもった演劇なのに対して「翁」の曲は祝言を述べ神聖な儀式としての性格を持っている。
翁面は能の源流である、白式尉と肉式尉がある。
猿楽の舞楽面からヒントを得て、創作されたものとされており切り顎と眉が特徴です。
翁のサイズは、横14㎜×縦17㎜です。(ヒゲの先端まで47㎜です。)


般若は、女性の怨霊を表現する面です。恨みの復習の敵愾心を芸術化したもの。
名前のいわれは、
1、名前は面打ち、般若坊の創作からとった名。
2、般若心経で心機一転する怨霊
3、梵語の「智慧、知恵」を意味する。
日本人の蛇信仰により蛇の面から進化したと言われています。
創作当時は般若のみ後日女性の身分によって使いわけるようになり、赤般若は主に「黒塚」で用いられる。般若は「道成寺」白般若は「葵上」など。

般若のサイズは、横14㎜×縦21㎜です。

若女は、観世流が他流に対して若い女面を江戸初期の面打ちの名人に命じて作らせたのがこの若女である。金春流と喜多流は小面、金剛流は孫次郎、宝生流は節木増とそれぞれ自慢の若い女面を所持していて家命保存としている。
若女のサイズは、横13㎜×縦17㎜です。

能については、素人ですが、小さくても中々見応えがありますね。

ではまた。