本日は、水屋道具のご紹介です。


水屋道具は、水屋で用いる道具の総称で、大阪や京都を中心に西日本で雛道具の一つとして飾られました。台所をミニチュア化した玩具で、醤油樽、桶、ざる、片口、しゃもじ、包丁、底洗いなど、台所に必要な道具が細かくつくられています。


本体サイズは、開いた状態で横幅約39cm、高さ約25.8cm、奥行き約6.5cmです。

明治時代の水屋道具には、井戸やくどがありますが、昭和初期には井戸が蛇口へと代わり、くどは無くなっています。生活スタイルの変化や道具の進化を感じます。

それぞれ道具の大きさは、大きな水桶が8.5㎝×4.5㎝で、他の桶や樽などは5㎝前後、その他小物は、4㎝~1㎝位のものです。

残念ながら、この水屋道具には、蛇口は購入当初よりありませんでした。
本体左側の立て板の上部に小さな穴が開いています。ここに、蛇口が付く箇所です。

市販のミニチュア蛇口を付けてみました。

拡大するとこんな感じです。本来ならば、一回り大きいものかも知れません。穴にはピッタリ入りました。

雛道具は黒漆塗りに金蒔絵が施された箪笥や長持ち、御膳などのミニチュアをイメージしがちですが、雛道具として身近な水屋道具を一緒に飾って桃の節句をお祝いする様子からは、小さい頃から身近な家事を教えようとする親の思いや当時の人々の憧れを窺い知ることができます。

ではまた。