「サル痘」WHOが緊急事態宣言 政府25日にも対策会議開催へ
欧州などで患者の報告が続くウイルス感染症「サル痘」について、東京都の30代男性の感染が確認されたことが25日、政府関係者への取材で分かった。
国内での感染確認は初めて。
サル痘
(サルとう、英: monkeypox)
ポックスウイルス科オルソポックスウイルス属(Orthopoxvirus)に属するサル痘ウイルス(Monkeypox virus)の感染を原因とする人獣共通感染症。
日本では感染症法において四類感染症に指定されている。
また低温、乾燥に強く、エーテル 耐性であるが、アルコール、ホルマリン、紫外線で容易に不活化される。
サル痘について
サル痘は、1970年にザイール(現在のコンゴ民主共和国)でヒトでの初めの感染が確認された、オルソポックスウイルス属のサル痘ウイルスによる感染症で、中央アフリカから西アフリカにかけて流行しています。
国内では感染症法上の4類感染症に指定されています。
日本では感染症発生動向調査において、集計の開始された2003年以降、輸入例を含めサル痘患者の報告はありません。
2022年5月以降、従前のサル痘流行国への海外渡航歴のないサル痘患者が欧州、米国等で報告されています。
厚生労働省では、令和4年5月20日にサーベイランス強化のため、自治体や医療機関に対して、各国の状況や、サル痘の症状、感染経路等に関する情報提供を行いつつ、サル痘の疑い例があった場合には必要な報告を行うよう依頼するとともに、検疫所においては、出入国者に対する情報提供や注意喚起を行っています。
また、6月1日には、自治体や医療機関に対して、積極的疫学調査の取扱い等について事務連絡を発出しています。
サル痘とは (niid.go.jp)- 国立感染症研究所
欧米で急拡大のサル痘感染、98.8%が男性
7割超が18~44歳
欧米を中心に「サル痘」の感染者が増え続けている。
世界保健機関(WHO)は23日、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言した。
現在の流行は欧米が中心だが、日本でも海外からの観光客の受け入れが増えている。
国内で感染者が出ることを想定した備えが重要になる。
英国で1人の感染が報告された5月7日以降、WHOへのサル痘感染者の報告が止まらない。
5月26日時点では、サル痘が流行していない23カ国で257人の感染者が確認され、そこからわずか3週間後の6月15日には2103人の感染者となった。
感染者はこれまでにスペインで3千人以上、英国、米国、ドイツで2千人以上、フランスで1千人以上確認されている。
台湾や韓国でも報告されている。
英国では2018年に初めて感染者が確認されて以降、散発的にアフリカに旅行歴のある人の感染が確認されたことはあった。
だが、これだけまとまって感染者が確認されるのは初めてだ。
WHOが約1万人の患者を分析したところ、98・8%は男性で、とくに18~44歳の男性が症例の77%を占める。
今回の感染者の多くは男性との性的接触のある男性という。
症状としては、発疹や発熱などがあるが、ほとんどの人は軽症だ。
だが、濃厚な接触をすれば誰にでも感染する可能性はあり、WHOは「幼児や妊婦には重篤な病気を引き起こす可能性がある」と注意を呼びかける。
世界的に新型コロナの感染対策は緩和される傾向にあり、国境を越えた人の移動は増えている。
日本も6月から水際対策をゆるめ、海外からの観光客らの受け入れを再開した。