関西発ラジオ深夜便に高瀬耕造アナウンサーがアンカーとして登板していたので吃驚。金曜日17時からのNHK-G《ニュースきん5時》が終了して以来、朝の連続テレビ小説《ブギウギ》のナレーションを除けば久々にお声を聞きましたが、深夜便アンカーにはお若過ぎますね。
関西発と言えば、《ニュースきん5時》の前任者武田真一アナがたった一度だけ関西発のアンカーを務めたときは、週末の《マイあさ》のMCをしていた畠山智之アナとの《ニュース7のメインキャスター繫がり》を興味深く聴いたことが在りました。高瀬アナのMCも今一度聴きたく思います。
尤も、この日は23時過ぎに帰宅して夕食もMacで済ませてぐったりと寝たので、最初と最後しか聴けませんでした。大西泰世先生とはどんな掛け合いだったのか、聴き逃しを聴いてみたくなりました。
さて。
キダ先生の訃報を聞いた日、《アホの坂田》の冒頭を飾る《メキシカン・ハット・ダンス》のフレーズが頭の中で無限ループしていました・・・・・・
・・・・・・が、1日経って、脳が繰り返し始めたのはやっぱりこれ。ダイナ・ショアの《心優しき人々(Dear hearts and gentle people)》です。
言わずと知れたABCラジオ《フレッシュ9時半キダ・タローです》のテーマ曲でしたので、長い夏休みや冬休みには毎朝のように耳にしていました。上京した後も高田馬場のムトウで《The Fabulous Hits of Dinah Shore》というアルバムを買って繰り返し聴いたものです。
Wikipedia《Dear Hearts And Gentle People》によると、ダイナ・ショアが吹き込んだのは1949(昭和24)年9月9日。同年11月19日にビルボード初登場、最高位2位を記録したそうです。
♪パーラパラパラ パーラパラパラ・・・のスキャットに続いて歌われるのが、如何にも古き良きアメリカ的な歌詞。
♪I love those dear hearts and gentle people
♪Who live in my home town
♪Because those dear hearts and gentle people
♪Will never ever let you down
♪They read the good book
♪From Fri' 'til Monday
♪That's how the weekend goes
♪I've got a dream house
♪I'll build there one day
♪With picket fence and ramblin' rose
♪I feel so welcome each time that I return
♪That my happy heart keeps laughin' like a clown
♪I love those dear hearts and gentle people
♪Who live and love in my home town
そして、この後、ダイナ・ショアのホームタウンであるテネシー州フランクリンを懐かしむ
♪There's a place I'd like to be and it's Franklin, Tennessee
♪Where your friendly neighbors smile and say "Hello"
♪It's a pleasure and treat to meander down the street
♪That's how I want the whole wide world to know
と続きます。当時わたしは、まだ北口駅前再開発事業が行われる前の田無に住んでいたので、《it's Franklin, Tennessee》を《it's franky Tanashi》に変えて口遊んでいましたね。《ボタンとリボン》でも早口言葉のような歌詞を息も吐かずに歌う場面が在りますが、《That's how I want the whole wide world to know》も早口言葉のようで歌い難いですね。
この中間部に続いて、男声コーラスと彼女のスキャットの掛け合いが始まり、最後にもう一度
♪I feel so welcome each time that I return
♪That my happy heart keeps laughin' like a clown
♪I love those dear hearts and gentle people
♪Who live and love in my home town
を繰り返した後に、♪パーラパラパラ パーラパラパラ・・・のスキャットが続いてエンディング。この歌が記憶に残っている所為でしょうか、こくらげ夫人に叱られ嫌味を言われ乍らも、フェンスにランブリングローズ(蔓バラ)を這わせて仕舞います。
ダイナ・ショアのミクストリストの中にはこんな映像も紹介されています。
こちらはフランク・シナトラとの掛け合いですが、歌の合間のトークの声がハスキーで伊藤沙莉さんに似ている気がする反面、笑って歌を止め乍らトークを交ぜる様子は、
「笑かさんといてーなー」
「よう言わんわー」
と笑い乍ら歌う笠置シヅ子さんを彷彿とさせたりもします。ミクストリストにはこの他にも、ナット・キング・コールやゴスペルのマヘリア・ジャクソンとのデュエットも収められていて、大変興味深く視聴しました。
キダ先生は「メロディなんかネコでも書ける」と仰いましたが、キャバレーのステージでもCMの音入れでも各楽器のパート譜が出来上がっていなければ音楽にはなりません。ダイナ・ショアのこの《Fascination(魅惑の宵)》の各管弦の響き合いに耳をすませば、1日に何曲も曲を編むことの手間の一端が解るような気がします。
因みに、ダイナ・ショアが歌うラテン風な《ボタンとリボン》はこちら。
映画《腰抜け二丁拳銃》の中で主演のボブ・ホープが手風琴を鳴らし乍ら歌うシーンが見られるのはこちらです。
それにしても、1950年代60年代のアメリカではThe Dinah Shore Showのような歌手の音楽バラエティが沢山在ったのでしょうね。生れる前のこととは言え、こういう番組を観ることが出来なかったことが今となっては残念で堪りません。