NHK-R1《マイあさだより》の後の5時25分頃からの音楽のコーナーでボニー・ジャックスの歌う《スキー》が聞こえて来ました。そうか、今日は《スキーの日》だったのですね。
改めて聴くと、海沼實先生お得意のレコード童謡のようなメロディーライン。ところが、調べてみると、これが時雨音羽作詞・平井康三郎作曲で初等科音楽(四)(昭和17年)に掲載された文部省唱歌とのこと。
平井康三郎と聞いても《平城山》を思い浮かべる位で余り馴染みが無かったのですが、Wikipediaで確認してみると、錚々たる詩人と組んで実に沢山の校歌を書いておられました。時雨音羽とのコンビでは三鷹市立第一中学校の校歌がそうでした。多くの都立高校の校歌のほか、全国各地の学校で平井康三郎作品が歌われていました。こくらげ夫人の今は無き中学校の校歌も平井康三郎作品でした。
一方、作詞家の時雨音羽と言えば、レコード歌謡草創期から数多くの作品が吹き込まれていますが、古いところでは中山晋平作曲藤原義江歌唱でヒットした《出船の港》、《鉾をおさめて》が時雨音羽作詞。昭和に入ると佐々紅華作曲二村定一歌唱の《君恋し》、《浪速小唄》がヒットしています。と言っても、50歳未満の方はご存知無いでしょうね~。
♪恋のサイレン何処迄届く
♪待てば思いも皆届く
♪てなもんやないかないか道頓堀よ
伴奏は日本ビクタージャズバンドとクレジットされていますが、デキシーランドからスイングに移行しそうな時代のアレンジではないでしょうか
ところで、この日、知事の週間予定表に目を通していると、《警視庁創立150周年式典》という文字が目に止まりました。
1月9日付東京新聞に掲載された《連載 みんなが主人公~まちを変える》の第4回。世田谷区の等々力渓谷に程近い国家公務員宿舎跡地開発の基本計画や設計に「近隣住民が深く関与し、その思いが色濃く反映されている」そうです。
区が主催するシンポジウムに「クレームを言う気満々」で乗り込んだ区民の1人。しかし、区が設けた対話の機会や現地見学会に参加した住民同士で話し合ううち、「大きな建物を造るのではなく、原っぱで寝転がりたい」という意見に集約されて行ったとのこと。公園づくりに区民の1人として主体的に参加することによって、不安も消えて行ったそうです。
こうして《つくりこみすぎない公園》というコンセプトが固まり、多くの住民グループが引き続き公園づくりと運営に関与することになったそうです。記事は、
「担当係長の津田智匡さん(40)は『住民同士が対話を重ね、普通の公園建設の倍以上の時間をかけて合意形成に至ったため、質や納得度は高いはず』と話す。」
と締め括っていました。
まちづくりに住民を主体的に巻き込む《パブリックインボルブメント》の手法は、我が国では《市民参画型道づくり》として国土交通省が平成14年8月に策定した《市民参画型道路計画プロセスのガイドライン》として導入されました。けれども、身近なところで具体的に採用された事例を殆ど耳にしていません。
東京新聞が国家公務員宿舎跡の事例を紹介して呉れなかったら、わたしもパブリックインボルブメントのことをすっかり忘れていたでしょう。久し振りに一寸研究してみたくなりました。