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 11月21日午前5時56分JR中央線武蔵境駅前。
 いつしか冬至迄1箇月となりました。この時季の日本列島は太平洋に突き出した関東地方から夜が明けて来ます。改札に向う人出は少なくないものの、日の出迄まだ30分。空が白んで来るのはこれからです。
 改札内にはクリスマスツリー🎄。「風の音にぞ驚かれぬる」などという季節の先取り感は加齢とともにすっかり消え失せ、季節に追われるが侭に過ごしています。
 今年は職場の冷房のお蔭で珍しく鼻粘膜を傷めて副鼻腔炎に罹患して仕舞いましたが、いつの間にか稼働していた職場の暖房のお蔭でまたまた鼻粘膜と咽頭が炎症を起こして仕舞いました。
 
 炭水化物を沢山食べて、ワインを飲んでいつもより長く眠りました。朝も長めにお湯に浸かって身体が多少軽くなりましたが、デスク回りの加湿を意識しなければいけないと思いました。
 

 この日目にした11月20日付プレジデントオンラインは《日本人が好む「動物愛護」という言葉の問題点》というサブタイトルを付して、「動物福祉とは何か」「動物愛護とどう異なるのか」という点について、獣医師に膀胱がんと診断された飼い犬の事例に基づいて専門家の考察を提示していました。

 膀胱がんと診断されたこの子は別の病院で診断して頂いた結果、症状が消失しており、がんではなかったことが判明。しかし、その半年後に糖尿病が判明、10箇月の闘病の末、飼い主さんは腕の中で最期を看取ることが出来たそうです。

 

 著者はこの子の事例について帝京科学大学の佐伯潤教授に質したところ、教授はインフォームドコンセントが十分だったか疑問を呈した上で、日本の獣医学教育ではインフォームドコンセントやQOL等、倫理的な課題についての教育は十分に行われているとはいえないと指摘していました。飼い主もまた治療者側に居るとすれば、手術以外の治療方法や病気の推移などの情報を飼い主に提示しなければ、飼い主はどう判断すれば良いか判らない状態に置かれて仕舞うとのこと。そして、

 

「日本社会の現状では、安楽死や殺処分について科学的・獣医学的に議論する土壌が十分にはできていません。その理由の1つに動物愛護と動物福祉=アニマルウェルフェアの違いがあると思います。動物愛護という言葉も海外にはありません。日本独自の考え方です。動物愛護は、ともすると人間側の感情の押しつけになってしまう危険がありますが、動物福祉は動物主体の考え方です。獣医療の目的は、動物の福祉を守ることでもあります。」

 佐伯教授によると、
 
◆動物愛護は、人間による動物の利用を否定している
◆動物福祉は、動物を利用することを否定してはいないが、その際には動物の感受性を考慮し、心身ともに健康的な生活を送ることができる飼育環境をめざす
 
という差異が在るのだそうです。佐伯教授は、
 
「日本の多くの動物をめぐる問題では感情的な議論で終始してしまい、人と動物の違いや人が動物を飼育する意義を考え、理解しようとする努力が不足していると思います。あくまで人間が感じるかわいそうという感情に基づくのではなく、動物のことを真に理解し、動物主体での議論を行いながら、動物の命や人と動物が共に生きることについて考える必要があります。」
 
と話していました。

 

 動物愛護は「ともすると人間側の感情の押しつけになってしまう」という教授の指摘は良く理解出来ますし、動物医療に関しては「動物の感受性を考慮し、心身ともに健康的な生活を送ることができる飼育環境をめざす」ことは当然です。

 

 しかし、動物を利用することを抑々否定する動物愛護主義者は欧米にも存在しますし、どれ程万全な飼育環境を整備しても、最終的にと畜しなければならない経済動物について《動物主体で考える》と言われても根底に横たわる矛盾に目を背けることがなかなか出来ません(感情的ですが)。経済動物の動物福祉に関してはもっといろいろな可能性を追求しなければならならいでしょうね。