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 梅雨入りしてからまだ数日ですが、東京はすっかり梅雨空です。果たして今週の日照時間はどれ程在るでしょうかはてなマーク
 
 そんな小雨の朝でもイネ科の植物の実が豊富になると、スズメたちが頻りに飛び回っていました。
 玄関先のスカシユリは次第に散り始め、植え枡のマートルは次第に開いて来ました。小雨の朝でしたので、蜜や花粉を集めるミツバチの姿は見えませんでした。
 さて、先週金曜日から養殖用飼料としての《昆虫飼料》が気になっていました。
 
 気に掛ったのはニュースクリップの中の6月9日付水産経済新聞【低魚粉配合率が世界の潮流】という見出し。東京魚市場青年団体連合会が開催した勉強会に於いて㈱科学飼料研究所の松本誠司氏が行った講演の内容を紹介したものでした。
 
 松本氏は《養殖魚の現状と飼料について》と題して魚粉配合率の低下などの養殖用飼料の世界的トレンドを紹介したということですが、日本国内の養殖用飼料は平均45.9%が魚粉。このうち約70%を輸入に依存しているそうで、魚粉配合率の高さが生産コスト高騰に繋がっているとともに、魚粉にするための魚の乱獲にも警告を発したとのこと。これらの問題点を踏まえて、アメリカミズアブ、ミールワーム、コオロギなどを原料とする昆虫飼料を紹介し乍らも、日本では消費者の抵抗が大きいため海外に比べて浸透が遅れていると指摘したそうです。
 
 昆虫食にはまだまだ抵抗の強い日本国内ではありますが、成程、イワシなどをわざわざ魚粉に加工する位なら昆虫飼料で代替可能という訳ですね。《昆虫飼料》をキーワードにニュース検索してみたところ、4月23日付日本経済新聞の【住友商事、昆虫飼料事業に参入 年内に国内販売開始】という見出しが目に止まりました。

 出資するシンガポールのスタートアップ企業から日本での独占販売権を取得し、2030年までに3万トンの輸入販売を目指すそうです。なお、食料自給率の引き上げを目指すシンガポールでは、動物飼料用としての使用を一部認めている昆虫について、今年から食用や飼料用としての輸入・販売が認めらるのだとか。

 また、3月6日付日本経済新聞は【丸紅、昆虫を養殖魚の餌に 高騰する魚粉を代替】と題する記事を掲載。丸紅はフランスのスタートアップと提携しマダイなど日本に合う養殖用飼料を共同で開発するそうです。

 流石に商社の動きは素早いですね。養殖魚類用飼料の魚粉に替る資源として昆虫飼料の可能性を指摘する記事を幾つか目にしましたが、果たして酪農用混合飼料の代替にはならないものでしょうかはてなマーク

 一方で、戦後の食糧難時代に霞ヶ浦に導入されたハクレンやアメリカナマズなどの外来魚を魚粉にして飼料・肥料として利用する実証実験を茨城県が開始したという記事も目に止まりました。5月16日付東京新聞Tokyo webが伝えているところによると、「ハクレンは刺し網漁で、アメリカナマズはトロール漁(底引き網漁)や定置網漁で捕獲する。その後、民間企業が魚粉として商品化する計画だ。北浦流域の養殖業や畜産業で飼料に用いるほか、メロンなどの果樹栽培の肥料としての使い道を想定している」とのこと。

 
 ワカサギやエビなどの資源の減少に伴って霞ヶ浦では漁業者も減少。このため、外来魚の捕獲が少しでも漁業者の収入安定に繋がることを県は目論んでいるようです。
 
 現在、世界の魚粉生産の2割を占めるペルーでは資源管理のために資源調査の結果に応じて漁獲枠を決定しているそうですが、ペルー生産省は今年6月1日に「冬季の漁期を開始しない」と発表。このために世界的なカタクチイワシ不足が発生し、魚粉価格が過去最高を記録しているとのこと。
 
 いずれにしても、安定的に供給出来る態勢を整えて、利用が広がって行くと良いですね。