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 管理トップ画面がリマインドして呉れた去年の記事下矢印

 

 去年は七草の午後に雪が積もり、新小岩駅南口広場のイルミネーションがとても幻想的になっていました。但し、南北交通はバスに依存するしかない江戸川区ですので、職場から西葛西・新小岩・小岩・金町などの駅へ向うバスはなかなか来ないし、来ても満員だし・・・と結構大変な思いを致しました。

 去年のこの日は、以前綴った《季節性情動障害を自己観察すること》という記事をリブログしていましたが、2018年のこの記事では《正月病》とか《冬季うつ》と呼ばれたりしていた《季節性情動障害》を扱った読売新聞の記事を採り上げました。

 筆者の原井宏明先生は上掲記事の中で、季節に合せて《不定時法》で生活して来たヒトの活動が冬季に衰えるのは当然と仰った上で、季節に拘らず《定時法》で生活しなければならない《同調圧力》に起因する《〇〇病》として

 

◆クリスマスに1人で過ごし気落ちする「ヒトリマス」

◆年末年始になると憂うつになる「正月病」

◆「五月病」

◆「月曜病」

◆「サザエさん症候群」

◆思春期にありがちな自己愛に満ちた空想にふける「中二病」

◆子どもが巣立った後に空虚感に襲われる「空(から)の巣症候群」

◆閉経前後のホルモンバランスの変化で不調をきたす「更年期障害」

 

を紹介した上で、

 

「なぜ、こうしたことが『病気』として取り上げられるのでしょうか。気分や体調に変動があるのは当たり前です。しかし、社会の一員として機能するためには、気分のムラは仕事をするうえで厄介とされてしまいます。」

 

「世界にその定時運行性を誇る新幹線のように、社会人は一年365日、定時運行することが求められています。年休は事前に決められ、クリスマス、正月、お盆もカレンダー通り、家族の誕生日、結婚記念日、そして大切な人の命日も……。これでは、しんどくなりませんか?」

 

と問題提起していました。因みに、社会福祉法人恩賜財団済生会のサイトでは《季節性感情障害(SAD)》として紹介し、

 

「病気の発症時期として季節性があるというのがポイントで、診断するためには、明らかな心理的原因となる出来事やライフイベントが原因となっていないことが必要」

 

と説明。つまり、原井宏明先生が《〇〇病》の症例として紹介した《中二病~更年期障害》は心理的原因となるイベントやライフイベントに起因するのでSADでは在りません。

 済生会によると、日本では調査の結果、2.1%にSADの疑い例が報告されているということです。

 

 一方、この日目にした読売新聞オンラインの《東京23区のニュース》では孤独感を深める若者をサポートする施設《フラットおおた》を紹介していました。

 記事によると、
 
「区が昨年10月に設けたセンターには、社会福祉士や臨床心理士のほか、若者支援の経験を持つ20~60歳代のスタッフが常駐する。利用できるのは15~39歳くらいまでの人で、区民でない区内在学者や在勤者も受け入れる。個室も用意され、不登校やひきこもり、家族関係の悩みなどを聞き取ったスタッフは、希望に応じて教育や児童福祉、就労を担当する行政機関などと連携しながら支援につなげていく」
 
とのこと。オープンから2箇月で利用者は250人以上。
 
「大学に進学したものの、コロナ禍によるオンライン講義で友人ができない若者や、在宅勤務の広がりで気軽に雑談できる同僚がいない息苦しさを打ち明ける会社員もいる。」
 
「共通するのは『さみしさ』を訴える声で、『誰かと話したい』『同年代の友人がほしい』と駆け込んでくる人が多い」
 
のだそうです。続けて記事は、
 
「子ども・若者育成支援推進法に基づき、国は貧困や虐待、不登校などに悩む子どもや若者を救うため、自治体に相談窓口を設置するよう求めている」
 
と記して、法的な位置付けや自治体の動きも紹介。大田区では「漠然とした悩みを抱える人、本音がなかなか話せない人もいる。ひとりひとりのペースに合わせて寄り添えるようにするため、『居場所づくり』にこだわった」のだそうです。
 
 情動障害という形で不安や不調を訴える人々が居る一方で、淋しさに耐え切れない人々も社会現象になることが少し不思議に感じます。季節を問わず定時法に同調し、適応して生活しなければならないことから生じる疎外、自分と関わりの在る諸々と常に関係性を維持しなければならないことから生じる疎外。昔々、倫理社会の教科書や参考書で採り上げられていた《疎外》というキーワードが、此処に来て再び重要性を増しているように思えてなりません。
 

 12-1月の《深夜便のうた》でブルースデュオT字路s(ティージロス)の《夜も朝も午後も》を耳にしているうちにすっかり耳にこびり付いて仕舞い、不図したときに口遊んでいることが在りますが、誰とも繋がっていない時間でも聞こえて来るラジオを通じてラジオの前に居る人々と繋がっていることにそのラジオが気付かせて呉れる・・・そんな歌詞。

 そういうラジオの《繋がってる感》が昔から好きでしたし、TVにもそんな番組が在りました。勿論、ラジオとリスナーとは双方向では在りませんし、ラジオはブロードキャスティングで在って、通信では在りません。


 でもまあ、心理的安全性に必要な距離感ってそういうものなんじゃないかと今も思うんですけどね。

 

【1月30日の後記】1月30日付ウェザーニュースが冬期うつを採り上げていました。

 横浜鶴見リハビリテーション病院(横浜市鶴見区)の吉田勝明院長によると、うつ病と同じようなうつ症状のほかに、次のような違いも診られるそうです。

 

「うつ病の場合は、食欲低下、睡眠不足、体重減少などの症状の傾向がみられますが、『冬期うつ』は反対に、食欲向上、過眠、体重増加といった傾向があります」

 

 ニュース検索をしてみると、《冬期うつ》を採り上げた結構な数の記事がヒットしました。本当に現代人のメンタルヘルスは厄介ですね。