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 ブルートレインもやって来た香川県観音寺市とゆーところ。

 

 其処に在るのは《天空の鳥居》、《天空のブランコ》、《天空の七宝鍋》・・・・・・と、まるで観音寺市が独りで《天空》を独占しそうな勢いですが、調べてみると、観音寺市以外にも《天空の城》(備中松山城)、《天空の不夜城》(秋田県能代市)、《天空のポピー》(埼玉県秩父高原牧場)など、さまざまな天空が全国各地にまだまだ存在するようです。

 

 このような現象を知ると、最早「一寸した《天空ブーム》ではないかはてなマークという気さえして来ました。「その証拠に・・・」と言うべきでしょうか、この日は更に全国各地に《天空のカフェ》と呼ばれるお店が在ることを知りました。

 

 岐阜県瑞浪市の山中、標高500mの地点に在るカフェは約半世紀前に建てられた別荘を改装したもので、中央アルプスや恵那山や屏風山を見ることが出来、時には名古屋市の高層建築物群も眺めることが出来て、口コミで人気上昇中なのだそうです。

「そんなに眺めが良いならスイーツではなくビールのほうが・・・・・・・」

 

とも思うのですが、考えてみれば人里離れた山奥に酒や食材を無闇に運び込んでは少しもSDG'sではありません。

 

 尤も、わざわざそんな標高の高いところに自動車で行って迄飲み食いしようとは思わないので、ニュースでも読まなければ《天空のカフェ》がそんなに流行っているとは知る由も無かったのですが、試しに検索してみると全国各地に沢山の《天空のカフェ》が見付かりました。いつの間にかブームが来ていたようです。

 ところで、先に触れた岐阜県の天空のカフェに関して朝日新聞が報じたところによると、この程新たにヘリポートを開設したのだとか。

 切っ掛けは県内の飲食店がヘリポートを開設して都会のお客さんを受け入れていると知ったことだそうで、オーナーが遊覧飛行会社に問合せ、昨年11月から整備に着手したそうです。4月22日に試験飛行をして貰ったところ、砂埃が立つことも無く騒音も無かったとのこと。5月5日に地元の人を招いて竣工式を挙行。離発着の無い日はイベントスペースとしても使用する予定。プライヴェートヘリも駐機代を支払えば利用可能とのことですが、やっぱり、ヘリを飛ばして迄マクロビやヴィーガンフードを食べに来る物好きって居るということなのでしょうね。

 

 一方で、ヘリや自動車では無く、山岳信仰の場所として東京では高尾山や御岳山も古くから知られているところですが、その御岳山の宿坊を東京新聞が訪ねていました。

 ケーブルカーの御岳山駅の標高は何でも831mの高さにあるそうで、其処から御岳神社に向って歩いて行く山道に突如として《天空の集落》が出現するのだとか。

 

 殆どの建物が宿泊施設で、経営者はしかも参詣者の世話をする《御師(おし)》と呼ばれる神職なのだそうです。《御師》と聞いて思い出されるのはブラタモリ。出雲大社教の出雲大社、富士信仰の浅間神社、そして伊勢神宮などには信仰の布教と併せて参詣客のおもてなしを業とする《旅行代理店》の役割をしていた御師の宿坊が多数あったことを思い出しました(因みに伊勢神宮外宮の門前町山田では《おし》ではなく《おんし》と呼んでいたそうです)。

 

 御岳神社では山麓に住む神主を含む32人の中から互選で神社の宮司を1人選んでいるそうです。それぞれの御師さんにはお得意様の参詣者が居るようで、東京新聞が取材した御師さんは埼玉県川越市を担当しているとのこと。毎年冬の季節は担当エリアの講を回って来るそうで、昨年から今年に掛けて、25講を回ってお札を配ったり祈祷をしたりしたのだとか。江戸時代にコレラが江戸市中に蔓延した折は悪疫退散を祈願したそうで、今回も新型コロナ退散を祈願して来たそうです。

 

 江戸時代の《旅行代理店》の役割をしていた御師さんは神職と同時に観光業者も兼ねていた訳で、現代の御師さんにとっても地域活性化が最大の課題。日本武尊を助けたオオカミをおいぬさまとしてお祀りする御岳神社に因んで、この10年程でペット同伴可を推進。ケーブルカーにペットスペースを設け、神社でもペットの健康祈願のお祓いを執り行うようになり、ペット同伴のお泊りを検討する宿坊も出始めているそうです。

 

 地元青梅市の観光協会でも、宿坊をワーケーションに使って貰えるようWi-Fiを整備したりお神楽を披露するツアーを開催したりと力を入れているそうです。東京育ちではないわたしにとって存在は知っていても今一つ縁遠かった御岳山と御岳神社ですが、《信仰》・《講》・《御師》という繋がりが此処にもあり、今も脈々と生きていることが判る興味深い記事でした。