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 例年この時季は職員の業績評価関連の仕事と山のような起案文書の決裁に追われて残業続き、風邪を拗らせることが多かったのですが、異動に伴って職員数も少なくなり、通勤時間も長くなったので、夜の残業をしないようにしていたところ、今年は風邪を引かずに済んでいます。

 昨夕、バス停に向っていると偶々両国行のバスが通り掛ったので初めて乗ってみました。京葉交差点から幅員の広い京葉道路に入って後は只管JR総武線と並行し乍ら西へ。この季節は周囲が暗いので何処を通っているのか良く判らない侭、旧安田庭園の前をくるりと廻って両国駅に到着しました上矢印 後ろに国技館の照明が見えます。
 
 江戸川区・江東区・墨田区は南北に鉄道が走っていないので、沢山の路線に沢山のバスが走っているのですが、小岩駅発両国駅行のバスも途中で乗降りする人が多く、こういう東西方向の路線もまた結構需要があることが判りました。
 
 さて。
 
 この日の通勤途中、スマホを弄り乍ら気になったのがこちらの見出し下矢印
 

災害時の自治体職員立て替え払い 政府が容認へ 東日本大震災では自腹のケースも】毎日新聞1113日 

https://mainichi.jp/articles/20191112/k00/00m/040/362000c

 

 記事は

 

「政府は12日、大規模災害の対応にあたる地方自治体の職員に対し、被災者支援などに必要な物資代を自分の財布から立て替え払いすることを認める方針を内閣府の地方分権改革有識者会議で示した。地方公務員は厳格な予算管理のため、立て替え払いが許されていないが、迅速な被災者支援に向け、柔軟に対処する必要があると判断した。年末までに閣議決定し、年度内に全国の自治体に通知する」

 

と伝えています。しかし、閣議決定されるという年末迄50日足らず・・・・・・

 

 余りの拙速さに呆然として仕舞いました・・・ガーン

 
 血税を財源とする予算の厳格な管理は勿論のこと、職員による不正や「支払ったむかっ、支払わないむかっ」、「紛失したガーン、盗まれたガーン」という類の事故を防止する意味でも地方公共団体の職員は現金を取り扱わないことが望ましいに決まっています。しかし、現金による支払いが求められる場合が不可避の職場では、《前渡金》と言って一定額を支出の前に保管して置くことが認められ、毎日その保管状況を確認し記録することが求められています。
 
 結論から言って仕舞えば、この前渡金に代って、災害時の決済にしか使用出来ない手形・クーポン・チケットなどを地方公共団体が発行し、各職場で保管するようにすれば済む話なのではありますまいかはてなマーク 実際に地方公共団体の職員がタクシーを利用して出張する場合、地方公共団体と契約を結んでいる会社のタクシーに利用日時や利用料金を記載したチケットを渡し、タクシー会社はそれを地方公共団体に納付して後日支払いを受けるようにしています。
 
 台風15号・19号によって長期間の停電に陥った千葉県のように、キャッシュレス決済も出来ない、役所の会計システムも起動しないと言った状況下ではいつ役所が支払って呉れるのか判りませんから現金決済が求められる理由は判ります。しかし、それを個々の職員が立て替えていたのでは、それこそ役所はいつ支払って呉れるのですかはてなマーク また、職員と事業者がぐるになって不正請求を行う事故を防止する手段は検討したのですかはてなマーク
 
 地方公共団体の会計手続きは最初に債権・債務の存在を調査して確認(調定)した上で、それに対応する金銭の領収や支出を行うべきものです。この事務手続きの繁雑さを回避するために地方公共団体の職員が自分の私有財産から支払いを行えば、その行為自体が懲戒処分の対象となるのが普通です。
 
 職員による立て替え払いの容認は、被災者支援の迅速化の名目で宮城県が国に求めたそうですが、記事では宮城県が何処まで具体的な提言を行っていたのか判りません。しかし、災害時とは言え、このことが地方公共団体の職員に負担や事故の危険を強いる内容であることは間違いありません。
 
 どうも、当事者や現場の話を聞く前に有識者会議の答申を拙速に実行に移そうとする態度は、大学入試制度改革の混乱の轍を少しも反省していないようにしか見えません。影響力低下が著しいとは言え、自治労や自治労連、またその上部団体である連合や全労連は今回の政府方針を果して容認するのでしょうかはてなマーク 見出しには【東日本大震災では自腹のケースも】とありますが、自腹を容認したり強要したりしないためのルール作りを労使で協議したり、国会で討議したりすることなく、閣議決定で決めてしまうことには反対です。この件に関する引き続きの取材を切にお願いしたいと思いました。