原發について書かれたとても有益な本を見つけた。『「反原發」の不都合な眞實』といふ本である。昨日の記事僕が述べた事は、大筋で間違つてない事も確認できた。この書籍に本づいて、面白い話を紹介しよう。


大氣汚染で一年間に死ぬ日本人の數は三萬人~五萬人強とWHOは推計してゐる。平均を採つて一年間で四萬人が死ぬと假定しよう。そのうち大體半分が、自動車の廃棄氣體(ガス)によるものである。


自動車の排氣氣體で、年間二萬人の人が死んでゐる。僕もこれほどの人が死んでゐるとは想はなかつた。因みに約三割が火力發電にるものであるから、これも年間一萬人くらゐの人を殺してゐる。


これだけで原發を火力發電に置き換へる事が何如に危險かが理解できる。日本の原發を全て火力發電に切り替へる事によつて、年間數千人の死者が増加する事になる。


原發による放射線の影響など發癌性が本の僅か増すだけの話である。しかも放射線は、通常は火力發電施設の方が大量に垂れ流してゐる。石炭にはウランなどの放射性物質が大量に含まれてゐる。


火力發電や自動車の害惡は大氣汚染だけではない。ところで、昨日の記事で自動車と原發を比較した事に疑問を抱かれた方もゐるだらう。


原發は代替可能だが、自動車には代替手段がない、といふ訣だ。僕は代替手段がないとは想はない。電車やバス、特殊な職業での自動車の使用のみを認める事で、大氣汚染は劇的に減らせる。


だが、今囘の記事は敢へて原發以外の發電手段について、前述の本をネタにして檢討してみたい。火力發電は、大気汚染以外にも様々な問題のある發電方法である。だが大氣汚染だけで否定されるには十分な數値だ。


太陽光發電は、大氣汚染を起こす度合いは火力發電よりははるかに小さい。だが、問題が無いわけではない。原發一基を太陽光發電で代替すると、山手線の内部くらゐの面積を太陽光發電化しないといけない。


それには取附工事が必要で、事故による死者が發生する。原發事故で想定される數値よりは巨大な死傷者が出る。それに、それだけの太陽光発電装置を作るとなると、資源の調達等で事故が發生する。


太陽光発電装置は、環境には優しいのかもしれないが人にはそれほど優しくない。使用後の装置の廃棄の問題もある。發電装置には大量の有害物質が含まれる。トイレが無いのは原發だけではない。


この本ではほかに風力發電や水力發電も取り上げてゐる。どれも原發ほど安全ではない。といふか、見込まれる死傷者の數が原發より二桁か三桁多い。


矢張、原發は、現時點で考へられる最も安全な發電方法なのである。今後はもつと自信を持つて、原發推進運動を展開したい。江ノ島に原子力發電所を作れ!