三國志を題材にしたゲエムは多い。但し、三國志は基本的に男の世界の話なので、女性キヤラは餘りゐない。或るゲエムなどは貂蝉を武將扱ひしてゐたが、貂蝉は演義だけに出て來る架空の女性である。


僕には何故、三國志のゲエムで關三小姐が出て來ないかが不思議である。實在の人物だし、なによりも血統が良い。關羽の三番目の孃(むすめ)で、武術は張飛に仕込まれた。


張飛に武術を仕込まれた事からも分るやうに、關三小姐は荊州ではなく成都に住むでゐたらしく、關羽が麥城で死んだあとも消息が殘つてゐる。長女と次女の消息については、僕は聞いた事が無い。


貂蝉を武將扱ひするくらゐなら、關三小姐を活躍させれば良いのに、と想ふのだが、ゲエム會社はそこまで歴史の知識が無いのだらうか。下手な男よりは余程強いと想ふのだが。


歴史にも多少の影響は與へてゐる。孫權が關羽を懷柔する爲に一族との縁談を申込むだのが、此の孃なのだ。關羽は「虎の子を犬コロにやれるか」と拒絶した。


關三小姐は現實には大した活躍をしてゐない。支那は日本に比べて女性の地位が低いし(といふか、欧米に比べても日本の女性の地位は高すぎる)、いくら關羽の孃でも實際に軍を率ゐたりは出來ない。


たしか諸葛亮の媒酌で田舎の小役人に嫁いだ筈だ。屬(正式な國名は漢)が滅びた時に關羽の一族は根絶やしにされてゐるが、女系は生殘つた筈だ。