グルっぽを作成しました。
「国語指導」という名称です。
国語(日本語)についてなら、なんでも語り合っていきたいと思います。
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関心のある方は、どうぞご参加お待ちしております。

娘から「これ、おもしろいよ」と貸してもらった文庫本。
タイトルは「GIRL」
香里奈さん主演の映画も大ヒットしているようです。
http://www.bookclub.kodansha.co.jp/books/topics/girl/index.html

30代の女性を主人公にした5編の短編集ですが、
画期的なのは、女性が主役のオフィス小説であること、
そして彼女たちの全てが今までのように「男性の補助的業務」でなく、いわゆる「総合職」と呼ばれる立場であることですね。

私などはまだ雇用均等法施行以前の大卒ですから、男女の垣根がない「総合職」での募集は少なく、
男性の補助的業務としての事務職、今でいう「一般職」が4大卒女子でも多かった時代でした。
一流と言われる大手企業ほどそういう傾向にあったように思います。
私などもどれだけ就職で苦労し、悔しい思いをしたか知れません。

それもあって、結局「専門職」を選び、遣り甲斐はあるものの不安定な立場に耐えてきたのですが。

それに引き換え、娘たちの時代は女性でも「総合職」という選択肢が普通にある時代。
羨ましいと言えば羨ましいですね。もちろんそれなりの苦労があることもわかっていますが。

5編の中で娘が一番関心を持ったのは、シングルマザーを扱った「ワーキング・マザー」だそうです。
娘の会社は新しい企業なので性による差別はなく、またワーキングマザーも働きやすい環境にはあるらしいのですが、
まだまだ完璧とは言えず、個人(同じ部署の同僚や上司、後輩)にそのしわ寄せが来ている事を目の当たりにしているそうです。
自分も、結婚出産してもキャリアを捨てずに働き続けたいけれど、ああやって周りの人の負担になるのも辛い、と以前相談を受けたことがありました。

確かに、結婚出産を経ても女性だけがキャリアを捨てることを求められるのもおかしい話です。
私がこれから手がけようとしているWOHAS国語の先生のブログ-WOHASロゴも、有能な女性がキャリアと子育てを両立する支援を目指すものです。
が、現実的には近い人たちにしわ寄せが来ざるを得ない、細やかな神経と周りへの配慮がある人ほど悩んでしまうのだそうです。
この問題は、個人や部署単位の厚意や善意で何とかなるものでなく、企業全体、社会全体で考えていかなければならないのだと、改めて思いました。

私が一番面白いと思ったのは最初の「ヒロくん」でした。
まさに娘の10年後を見るようだからです(^_^;)。
もっとも、主人公の母親と私が違うところは、私自身専業主婦経験はほとんどなく、女性の幸せ=子どもを産んで家庭を守ることという固定観念に縛られていないことです。
それでも、娘には子どもを産んでほしいとは思っていますが。

ネタバレになりますのであらすじは割愛しますが、ひとつだけ。
私が深く頷いた言葉がありました。
30代の女性として異例の出世で課長となった主人公の部下として配属された年長の男性が、
あれこれと主人公の邪魔をしてくるのですが、その男性を評して主人公がこう思います。
「この男は、女房と部下とホステスしか女を知らない」と。
その男性をマッチョと表現し、マッチョの対極にいるのが、主人公の夫のヒロくんだという設定でした。

マッチョ、いましたね~
私もどれだけこういうタイプに悩まされてきたことか。
自分の実力だけがモノを言う、一匹狼ともいえる講師職という「専門職」の世界ですら、
男は女の上に位置づけられるのが当然、という古い観念から抜け出せないマッチョがたくさんいました。
今の職場は、本当の意味で自信がある男性が多い(ご自身もお子さんも東大をはじめとする旧帝大、医学部など)せいか、男女差別を味わったことは1度もありませんが。
「男」ということ以外誇るものがない男性ほど、「女の癖に」などという言葉を発するのでしょうね。

そんな、小さい男に比べて、ヒロくんは素敵な男性です。
ヒロくんは、「女はかくあるべし」「男は立てるべき」「夫婦とは」という固定観念に縛られず、
妻のほうが収入が高くても地位が上がっても、僻んだり妬んだりせずに素直に喜べるのです。
今でも珍しいタイプでしょうが、本当に「男らしい」のだと私は思います。
娘も、こういう人とめぐり逢えたらな~と思うのは、母親の勝手な感傷でしょうか(^^ゞ

あっという間に読み終えて、さすがに「ガール」などは理解の範疇ではありませんでしたが、頷くところが多かったです。
「総合職」「専門職」の走りとして苦労してきた立場で、また「総合職」を選んだ娘の母として。
でも、「こんな理不尽なことはうちの会社ではないから現実的じゃないわ」という女性が多くなる時代であってほしいですね。
娘と同じ本を読んで感想を交し合うことは以前からよくありましたが、(ブッシュ妄言録などは母娘して大笑いしました)
女性のキャリアに関する本への感想も共有する立場になったのだなとしみじみもしました。
これからはどんどん、娘に教えられることも増えていくのでしょうね。
親としては複雑な思いもありますが、喜ばしいことですね。
楽しみにしていましょう。



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