以前やった、古典ネタ。
今昔物語集を読むと、追い剥ぎ・強盗・盗賊がやたら出てまいります。
少し意外に感じるかもしれませんが、「金銭」を奪うという描写はありません。
衣服を奪っていくんですね。
少しこのあたりについてお話を。
平安時代は、まだ貨幣経済は充分に浸透していなかったようです。
私も初めは疑問だった。
和同開珎を始めとする、皇朝十二銭はどうした?
高校の日本史で習ったぞ。
実はどうも、発行総数が少な過ぎて、十分に行き渡らなかったのだそうで。
その後は、自力での発行をあきらめて中国に頼るようになる。
平清盛の日宋貿易でも、宋銭の輸入というのがあったでしょ?
室町時代に入っても、主な輸入品に「銅銭」というのがあった。
永楽通宝なんかを輸出品の代金として受け取っていたのでしょう。
平安時代に話を戻します。
結局、ものの売り買いはどうしていたのか?
米か布を仲立ちにするという、物々交換に毛の生えたような方式で行っていたようです。
だから強盗にしても、相手の衣類を剥ぎ取っていく。
文字通り「追い剥ぎ」な訳です。
古典ネタの話そのもの、次回は10月初頭と予告致しました。
来週の週明け月曜日にでもお送り致します。