本日(6月23日)産経新聞一面「朝晴れエッセー」に小生の拙文が掲載されました。
病の息子との日常会話の一部だが、読み返すに息子の言葉遣いが少々子供っぽくなり、そこが反省点。
しかし、採用いただいた新聞社の方々には心より感謝申し上げます。





以下原文
「やっぱりおじいちゃんでないと、僕の悩みを分かってくれない」
高校2年生の息子は笑いながら言った。息子は3年前、重い心臓病を患い大手術を行った。手術は成功し、今は体力の低下は残るものの、日常の生活を取り戻しつつある。おじいちゃんは、数年前大病を患うも、今は経過観察中である。
「僕はもちろんだけど、人間はいつ何が起こるか分からない。明日にでも死んじゃうかもしれないんだよ。今、この時間を大切にしなきゃね。この清らかな紫陽花(あじさい)だって、ウチのワンワンだって、後先のことを悲観せずに、今を頑張って生きているでしょ」。息子は得意げに言う。
「生意気なことを言うな」と私が返したら「パパは病気もしたことがないから、全然わかっていない」と叱られてしまった。これにはグウの音も出ない。確かに息子の言う通りだ。
これからは、些細な家族の会話も、何げなく食べていた日々の食事も、また気にも留めていなかった路傍に咲く季節の草花も…深く味わって生きていこう。
そして息子よ。あまり無理をしなくても良いから、少しでも健康に、たくましくこの活力ある世界を生き抜いてくれ。、