あしたのジョー心理学概論~矢吹 丈 その心の病~ PART49 | 心を和らげる相談室 HEART

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あしたのジョー心理学概論~矢吹 丈 その心の病~ PART49

 

何でも自分中心、だけど憎めない奴

 

 

ケンカっぱやいが、あっけらかん・・・・・。

矢吹丈、年齢十五歳(青年前期)。

そんな初期のジョーの特徴として、

最も目立つのは自己中心性である。

 

ジョーを慕う子供たちを引き連れて

恐喝、脅迫、詐欺、横領、したい放題。

なんとも派手な愚連隊である。

自分自身が世界の中心であり、思い通りにいかないと怒る。

 

 

これらの行動は一見、

「自分さえ良ければよい」という

利己主義にとらわれがちだが、

発達段階での自己中心性は、

これとは異なる意味合いを持っている。

 

それは、

主体と外界が未分化なことによって

特徴づけられる効果であり、

自分以外の視点の存在を認めることができない。

これが行き過ぎると、

「自分が死ぬと世界も終わりを迎える」

などと夢想するような事態も起こりうるだろう。

 

ジョーの道徳判断は、前習慣的で多分に個人主義的である。

ジョーにとって規則は、

自己の利益になるときだけ存在し、

ドヤ街の子供たちにも自分の規範を押し付けている。

 

 

コールバーグの発達段階によれば、

これは、ステージ2「道具的快楽主義志向」

位置づけられる。

 

一般に児童期に多く見られ、児童期後半になると、

多くの場合は脱中心化が起こって

ステージ3への移行が見られる。

 

 

コールバーグの発達段階

 

コールバーグは認知発達という観点から

人間の生涯にわたる道徳性の発達を

6つのステージに分類した。

 

各ステージの定義は以下である。

 

前習慣的水準 

ステージ1:罪と服従への志向

ステージ2:道具的快楽主義志向

 

習慣的水準   

ステージ3:「よい子」対人的一致への志向

ステージ4:法と秩序の維持への志向

 

原則的水準   

ステージ5:社会契約的な法への志向

ステージ6:普遍的倫理的な原則への志向

 

 

 

 

 

では、本日はこの辺で失礼します。

ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

心を和らげる相談室 HEART    代表    杉野 茂広