中学卒業から20年以上の月日が流れました。

私は結婚し、

3人の子を持つ母になっていました。

子供達も大きくなり、

手はかからなくなりましたが、

その分何かとお金がかかる様に

フルタイムで働いて生活の足しにしたいと

仕事を探していました。


そこに、

小学校の給食調理員の募集があり、

応募した所、

運良く採用して頂きました。


給食調理員の仕事は

本当にやりがいがありました。

先輩達もみんないい人。

出来ない私を良く面倒見てくれました。



そして、春になると

給食調理員も人事異動がありました。


同じ地域で、

他校から新しい調理員さんが来ました。


ベテランさんです。

色々な話をしてくれました。

その中に、

まさかまさかのあの名前。


なんと奴が、

そこの小学校の校長になっていたのです。


何より聞いてびっくり、

衝撃の出来事を教えてくれました。


給食の時間

児童が最後に食べようと

とっておいた海老フライを、

食べないのか?

と言って、

つまんで食べたというのです。

その子は涙目になって本当に可哀想だったと。


なんてひどい事を。

それが校長のする事か


あいつならやりかねない。


そして、

意外と近くに奴がいる事に嫌な予感がしました。



当たって欲しく無い予感は当たる物で、


次の年の人事異動で奴は、

息子の通う中学の校長に就任しました。


あの、忌々しい出来事が思い出され、

よりによってこんな形で再会するとは、

思いもしませんでした。



しかし、

なったものは仕方ない。


息子には、

奴には絶対近寄るなと

何度も言って聞かせました。



校長になっても相変わらずのモンスター。



息子の友達もやられました

が、その子は偉かった。


それは、

朝のあいさつ運動での出来事。


校門に立っていた奴は、

その子のあいさつが聞こえない

と、他の生徒達がいる前で激昂したというのです。


その後、

怒ったその子は

仲間と共に校長室に乗り込んで、


あいさつはしたのに、

校長の耳には聞こえなかったのか、

と訴えたそう。


そうしたら、簡単に悪かったと、

平謝りしたというのだから、お粗末。 


その子の勇気ある行動に感心し、

あの時、自分にもそんな勇気があったらと、

今更ながら思いました。



その後

数々のモンスター的行動が、

親達に問題視されるようになり


次の年

学校から姿を消しました。

どこかに異動になったようでした。



もうずいぶん昔の話。


やっと、終わりました。


お付き合いありがとうございました。