丹誠だより 第118号 令和6年4月10日発行

設立50周年記念大会のお知らせ

 かねてより投稿のお願い等でお知らせしておりました設立50周年記念大会が、定期総会に続けて開催されます。下記により改めてご通知致しますので、万象お繰り合わせの上、大勢の方がご参加くださいます様お願い申し上げます。

令和6年度定期総会

【日 時】   令和6年5月26日(日) 10時~12時

【会 場】   ワークピア磐田 多目的ホール 〒438-0086 磐田市見付2989-3

【対 象】   主に丹誠会会員

設立50周年記念大会 

定期総会に続き、同じ会場で午後に開催します。

【日 時】   令和6年5月26日(日) 13時~15時30分

【対 象】   一般市民、丹誠会会員および関係者

【共 催】   公益社団法人 静岡県精神保健福祉会連合会

【後 援】   磐田市・袋井市・森町・磐田市社会福祉協議会

【記念大会式次第】  

 ○第一部:式典 13時~13時30分

 (1)会長挨拶

 (2)来賓挨拶、紹介

 ○第2部:記念講演 13時30分~15時30分(質疑応答含む)

 ※詳細は下のチラシをご参照ください

   講師:夏苅 郁子 先生 (やきつべの径診療所)

   演題:『どうする!主治医との関係』

※当日午前・午後を通して出席される会員の方には、お弁当を用意いたします。丹誠だよりに同封したハガキの記載内容を選択記入して、5月17日までに返信下さい。

 

春のつどい
 2月18日(日) 午後1時30分~3時 磐田市アイプラザふれあい交流室にて、静岡市のピアサポーターお二人から「 私のリカバリー ストーリー 」と題して貴重なお話を伺いました。丹誠会会員と一般市民の50人が参加されました。

<お話しされた内容>

【N さん】は40代、支援センターのデイサービスを週3回利用しています。統合失調症歴22年、父を亡くし母子家庭で育ちました。高校に入学しましたが、友人に馴染めず鬱々とし半年で退学しました。精神科の薬を飲んで古着屋でアルバイトを2年半しました。その間に治ったと思いアルバイト量も増やし服薬も止めてしまいました。お菓子を食べ過ぎ摂食障害で気力を失い退職、その後はアルバイト求職するも不採用続きになりました。

 母から受診を勧められ、治療し順調になったのに、インターネットでその病院は藪医者だと強く主張する人がいたので5年通った病院を変えました。 しかし薬が合わず自殺願望に振り回され、ある日自分で頭を丸坊主にした。入院中は“早く退院したい気持ちで良い人”を演じ続けました。デイサービスに通うと仲間の姿が自分を写す鏡のようで、自分自身に気づく事ができました。しかし、母との関係は変わらずうまく行きませんでした。その頃、夫と出会い明るい自分を取り戻し結婚しました。結婚当初は母に助けてもらい、おかげで結婚20年、母とは程よい距離を保てるようになりました。今では、ピアサポーターとして人を助け、恩返しをしたいという気持ちでいます。  

【Kさん】は50才、静岡市にある支援センターのピアスタッフとして障害者雇用で勤務しています。働き始めて10年になります。うつ病歴は20年あまり、“双極性障害”の時もありました。現在はうつ病薬と睡眠薬を服用し、仕事は精神科退院後の生活相談支援と精神障害者スポーツ協会の運営、選手兼監督でフットサルやその他スポーツを担当、全国大会にも出場しています 。一昨年の甲州東海ブロック静岡大会の分科会でも発表されました。Kさんは平成15年、20代後半に何週間も眠れなくなってミスも多くなり、どんどん悪化したため近くの精神科で治療をしましたが、力尽き会社を自分から辞めることにしました。その後も“薬を飲んでいるから、心の風邪だから”と自分に言い聞かせて仕事を探しては辞めることの繰り返しでした。考える力も記憶力も自信が無かったが、“働きたい、資格を取りたい”と無理を続けたため、“自分自身に困り果て“親に反抗するなど引きこもり生活が続きました。 病気がひどくなった頃は話もせず胸の内に溜め込んでしまったが、仲間や病院施設のスタッフとの良い関係で癒され、自分を成長させてくれた。周りの善い人々の助けを借り、自分の暮らしを作ってきました。今はお世話になった職員と飲み会やおしゃべりをし、サポートされる側からサポーターの仲間入りをする事ができ嬉しい。当初は分からない事があると緊張してしまい、6時間の勤務も長く感じ仕事に慣れるのに半年以上かかった。両親はデイサービスに通ってくれている方が安心すると言っていました。私自身は現在の状況も通過点であり、のんびりと進んでいきたいと思っています。

<質疑応答>

質問1: 統合失調症の娘とうまく話が出来るようになるためにはどうしたら良いですか? 

→【Nさん】つらかった時は私も話ができませんでした。親がいてくれると安心ですが、留守はとても不安でした。病状が軽くなってから話すことができる様になりました。

→【Kさん】僕は何か言われると自分のペースに侵入されるようで苦手でした。親が旅行を楽しんで留守の時は、自責の念から解放され自分の判断で行動できました。

→【Nさん】 私も1人になると、冷静になり買い物をし食事を作っていました。 

質問2:息子は45歳、週4回デイサービスへ通いスポーツも全力でしているが疲れるようだ。私も相手をするが、彼はその後とても疲れてしまい回復に時間が掛かってしまう。

→【Kさん】週に4回デイサービスへ通えるのはすごいです、褒めてあげてください。1階から2階に登るだけでも疲れ回復にも時間がかかります。だから私は40%や50%のパワーの使い方をするようにペース配分しています。100%するから疲れ回復できないのです。私自身そのことに気が付きペース配分が出来るようになるには何年もかかりました。

→【Nさん】私はデイサービスに週3回それも午前中だけで疲れてしまうのです。力の配分を出来るようになるのに何年もかかりました。                              
質問3:今、B型作業所に週5回通所しているが、“自分は駄目だ”とマイナス思考をしがちな息子を直すためにはどうしたら良いか?

→【Kさん】マイナス思考は癖だから治りません。お話しの様子では症状は落ち着いている様ですから大丈夫です。通所出来ている事を褒めてあげて下さい。自分から肯定できない人の性格は、疲れるとマイナス思考になりがちなので明るく希望を持たせて下さい。

<参加者の感想 > ※会員グループLINEでの対話です                                 
・過去の過酷な体験を当事者が自ら冷静に分析し、人前で説明する勇気に感動しました。特に、Nさんの入院時の親とのやり取りは、亡き娘と被り涙が止まりませんでした。

・昨日はありがとうございました、役員の皆様にも感謝の気持ちでいっぱいです。会長さんが涙ぐんだ時は私も泣けました。お嬢様を思いどんなにご夫妻がおつらかったかお察しいたします。お体をお大事になさってください。

・私も昨日の発表にとても感動し、ずっと余韻に浸っていました。誰かとこの感動を分かち合いと思っていたところでした。

・お二人共とても落ち着いた口調で話されて経過がよく分かりました。

・あの時会場にいる全員が全身を耳にして一生懸命聞いているような気がし、一体感を感じました。

 

磐田市福祉課との意見交換会報告

 昨年12月提出した要望書に基づき、1月31日に意見交換会が開催されました。提出した「要望」とそれに対する「回答」を下記します。
要望1:「精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築」の実現を目指して、さらなる関係者(相談支援センター、医療、福祉事業所等)の連携の強化をお願いします。しかし、磐田市の第7期障害福祉計画では 「関係者による協議の場の設置をしない」という指標が示されています。取組みが従来よりも後退した様に見えて不安です 。医療にも繋がっていない長期ひきこもりの当事者が少なくありません 。一人暮らしの方への定期的な訪問などをご検討ください。

回答1: 「精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築」の実現を目指した連携の強化等について、ご指摘の通り第7期障害福祉計画において、保険、医療、福祉関係者による協議の場の設置については、市単独では設置しないこととしています。ご承知の通り中東遠圏においては、医療分野での偏りが見られることから、圏域地域移行部会を位置づけし協議していくこととしました。又、医療にも繋がっていない引きこもりの方々については、相談支援センター等が必要に応じて訪問している状況ですが、全て網羅できているわけではありません。今後も貴団体と市、相談支援センター等が連携し、諸問題について検討をしていきたいと考えています。

要望2:「地域生活支援拠点等の整備」事業の中の「緊急時の受け入れと対応」について、強度行動障害と言える暴力のみならず、精神障害者の不眠で不安定な状態時の「駆け込み寺」的な支援体制の整備をお願いします。利用頻度の少ないことが設置上の支障ならば、他市町との連携もご検討をお願いします。

回答2:「地域生活支援拠点等の整備」事業の「緊急時の受け入れと対応」の支援体制の整備については、地域移行を進めていく中で必要な整備だと考えています。現在はこの拠点の設置を目指し、緊急時の受け入れ体制を含め、袋井市や関係事業所と協議を進めているところです。

要望3:高齢化して介護が必要となった親には介護保険、障害を持つ子供には自立支援医療にて、両方の面倒を見るグループホームができないか。もしくは包括ケアセンターと連携した居宅サービス(訪問介護、訪問看護を含む)が出来ないものか。

回答3:  介護と障害の両サービスを受けられるグループホームまたは、居宅サービスの実現可能性について、静岡県では「ふじのくに型福祉サービス」の考え方をもとに、誰もが住み慣れた地域で安心して暮らせるような「垣根の無い福祉」を市町、団体、事業所等が協議して推進しています。現在高齢者と障害者を包括的にケアできる施設や仕組みが法的に整備されていないことから、引き続き調査、研究して行きます。また、介護サービスと障害福祉サービスは別制度であり、居宅におけるサービス支援は同時に受けられると思われますが、介護と障害の両サービスに対応した事業所が少ない状況にあります。介護ヘルパー事業所に対して障害福祉サービスも登録する方策を検討する必要があると考えています。

要望4:自立支援給付、障害年金、精神障害者保険福祉手帳、通所費支給、入院医療費助成等の申請すれば受けられる制度について、分かりやすい冊子を作って来所者に広めて欲しい。同様に相談センター、地域活動支援センター、作業所、家族会の存在を教えて欲しい。

回答4:磐田市では「障害者のしおり」を発行し、自立支援給付、障害年金、精神障害者保健福祉手帳、通所費支給、入院医療費助成、相談窓口、作業所、家族会について掲載しています。福祉課や各支所で配布すると共に、ホームページからも閲覧が可能となっています。引き続き発行すると共に、内容の充実に努めます。 

要望5:小、中学校の教師や生徒に、精神障害の知識や正しい対応を啓発して欲しい。 

回答5:学校の現場では、精神障害に限らず障害の有無にかかわらず、誰もが人格と個性を尊重し合える共生社会の実現を目指し、教育を進めています。子供たちは、小学生の時に保健体育科において、心と体は同様に発達し、密接な関係があることや、不安や悩みへの対処などについて学んでいます。また、中学校では心身の機能の発達と心の健康について理解を深めるとともにストレスへの対処方法等について学習しています。教員は、精神障害の診断を受けている児童生徒及びその可能性がある児童生徒について、SC (スクールカウンセラー )、SSW (スクールソーシャルワーカー)の意見も参考にしながら必要に応じて医療機関等と連携して適切に対応しています。 引き続き教員、児童生徒の精神障害の知識習得に努めます。 

要望6:市のイベント等への参加申し込みで、QRコードでの申し込み例が増えているが、スマホを使えない方も多いので電話での申し込みができる方法を残しておいてください。

回答6: イベントの申し込みについて24時間申請ができることや窓口に連絡を取る手間を削減できることなどからQRコードやURLを使った申し込みが増えています。加えて多重申し込を防ぐため等の理由から申し込方法が1つに限られてしまい電話による受付がない場合もございます。福祉課の窓口では申請の補助も行っていますのでご相談ください。

要望7:磐田市の 日中一時支援は土日は少ないので、土日の利用を充実してもらいたい。利用者の土日の居場所の確保と家族の精神的負担を軽減するためです。

回答7:日中活動系サービスは、利用日数の上限が「月の日数マイナス8日」と定められており、8日分についてはご家庭で過ごすことを想定されているため、土日祝にわたって対応できる施設は少ないです。しかしながら、緊急時においての土日祝日利用の必要がある場合は、事業所や相談機関と市が連携し、ご家族から状況を聞き取りながら支援していきたいと考えています。

※上記の他に、入院医療費助成の上限額を15,000円から20,000円へ引き上げを要望しましたが、県西部地区の他市町と比べても高い水準であることから通りませんでした。袋井市、森町の現行助成額10,000円を15,000円に上げることや支給開始日を初日からに早めることなど、磐田市と同水準に持って行く活動が優先されます。

 

令和6年度年会費納付方法のお願い

 令和5年度丹誠会事業も予定通り遂行できました。御礼申し上げます。これも一重に会員を始め関係者のご協力の賜物でありますが、中でも皆様からの年会費を頂けている事が大きな貢献である事は言うまでもありません。その年会費の受領方法の多くが郵貯振込となっておりますが、振込手数料がここ数年値上がり(受け取り側料金が当初の2倍)し、今年はさらに送り側にも手数料(110円)が掛かる事となりました。この事を踏まえ、R6年度の支払い方法として

①出来るだけ丹誠会活動・地域会行事に合せてお支払いする。

②各地域の理事さんに託する。

③、①②が出来ない場合に従来通り同封の郵貯振込とする。

 皆様にはご面倒をお掛けする事となりますが、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。(5月26日の設立50周年記念大会でも受付いたします)

 

能登半島地震義援金募集のお知らせ

 県連(もくせい会)の呼びかけで各家族会で義援金の募集を始めました。丹誠会では50周年大会の会場に募金箱を設置します。当日参加出来ない方は、地域例会等で役員に預けていただけると幸いです。

 

にじの会報告  A.S.さん報告

 1月24日(木)にお楽しみ会を実施しました。

・楽しくゲームなどで過ごさせて頂き久しぶりに笑って過ごせました。ありがとうございました。  

・今日も皆様の深いお話を聞くことが出来てよかったです、また自分の気になることを聞いて頂いてよかったです 、いつも楽しいゲームをありがとうございます。

・ボーリング大会、じゃんけん、ビンゴ、普段やれない遊びとても楽しかったです 、人それぞれ悩みも違うけれど、様々なことが勉強になります。

・ゲームを楽しくできました。ボーリングなんて本当に久しぶりで童心に帰ってしまいました。

・悩みや子供のことは外部で話すことがないので、話したり聞いたりする場はホッとしました。

のぞみの会報告    H.M.さん報告                                
2月1日(木)11名の方が参加しました。

今年初めての家族会でした 。昨年12月から新しい方が2人見えていただきました。S さんの息子さんは結婚されていて落ち着いて仕事も行けています。T さんの息子さんは一人暮らしをされていて仕事にも行けていましたが、 昨年11月頃から休みがちになったそうです。

それぞれとても頑張って過ごしています。皆さんからはあまり頑張らないで時には休憩も必要だよとアドバイスをしていただきました。人生ちょっとガンバローと思ったとき言葉が背中をポーンと押してくれます。

つばさの会報告  N.S.さん報告
2月21日(水)10名の方が参加しました。

「A さん」湖西市で遺体が発見された事件の17歳の子は袋井北コミセンの地区の高校生で胸が痛みます。

「Bさん」森川すいめいさんのオープンダイアログの本を読みました。それによると「アメリカではトラウマを軸とした治療が効果をあげ、拘束を最低限にすることが始まった。」とのことです。又、自分も怒りをエスカレートしないようにしていきたいとのお話がありました。  

「Cさん」息子は職場復帰し現在実家で一人暮らしをしているが、厳しい職場なので別居していても息子が心配で苦しい。つばさの会に来て救われた気分です。

「Dさん 」(12月に引き続き2回目の参加の非会員 )娘さんが9才で発症し病歴16,7年、病名は「強迫性障害」で病状は“自身の思い通りに母親にビデオ再生をさせたり、すぐに癇癪を起す”状況です。(今年の家族学習会を勧めてておきました)

「Eさん」息子は最初ギャンブル依存症で精神科に通い薬を飲んでいたが、パチンコを止められなかった。このため、四国の“クジラの会”に通って医師の診断を仰ぎ、徐々に薬を減らし止めることができ睡眠薬もいらなくなった。とのお話しがありました。会の終わりに「R6年度の総会、50周年記念大会と夏苅先生の講演 」、そして「べてるの家の講演会」の案内をして終了しました。

 

地域例会予定のご案内 にじの会とのぞみの会が通常から変更されています
・にじの会       アイプラザ            5月は第5木曜日 (次回:5月30日)        
・のぞみの会 豊田福祉センター        6月は第3木曜日(次回: 6月20日)        
・つばさの会 袋井北コミセンにて   偶数月の第3水曜日(次回:6月19日)

 ※本紙発行が間に合えば、つばさの会の次回は4月17日(水)です。

※いずれの会も 13:30~15:30 を予定しております