「10か100かしかないんじゃ、人間ダメになっちゃうよ」
「だから、100人いる講義の中でも、70人聞いていればいいって思うようになったんだよね」
「70%が重要だよ、70%が」
大学の先生がそう言っていたらしい。
その言葉を噛みしめたら
なんだか胸の奥がじーんと熱くなった。
私も昔は10か100かの人間だったから。
やるからには100を目指さなきゃいけないって
100が全てだって
認められたいって
躍起になって
時には衝突もしてもどかしい気持ちを味わうこともたくさんあった。
自分には無理だとかめんどうくさいとか思ったら
あっさり試合放棄して
10でいいじゃんって
適当にやりすごしてもいいんでしょって
そんなふうに投げてた。
だけどそうじゃないんだって
今ならなんとなくわかる。
70%であるってこと、いるってこと、なんとなくわかる。
この話を聞いたときに
「今更気づくなんて馬鹿だ。」
そう思う自分と
「今気づけてよかった」
そう思う自分がいた。
もしどちらかを選ばなきゃいけないなら、私は後者を選ぶ。
だって、失敗したり成功したり、いろんな自分がいたから
今の自分が在るのに
自分で自分を否定したり卑下することってすごく無意味だから。
自分が一番の理解者なのに
自分が自分を否定して認めてあげなかったら
何が楽しくて
どうやって生きていけばいいの。
人は、自分が思ってるよりはるかに価値のある生き物なんだから。
それは心に留めておかなきゃいけないんじゃないかなと思う。
話が脱線したけれど…
たぶん先生も
きっと昔は10か100かしかない生き方をしていて
いろいろ苦しいこともあったんだと思う。
だけど経験を重ねて
いろんなことを知っていく中で
少しずつ70%であることを知っていったんだろうなって。
そんなふうに考えたら
「70%であることのすばらしさ」に
先生の生きてきた何十年っていう軌跡が重なって見えて
なんだかまたじーんときてしまった。