こんにちは!

聴いて癒す専門家、鈴木美保子です。

 

この週末、ドライブ中に水田の広がる風景を目にしました。

 

こうべを垂れた稲穂が黄金色に輝く光景は、胸にじーんと沁みいるようで、穏やかながら力強い感動を覚えました。

 

浮かんできたのは、母の生まれ故郷である福島の思い出。

 

私の母は、福島県県中にある石川町の農家出身です。

 

幼い頃の夏休みはいつも、田舎の祖父母を訪ねて長期滞在し、畑や水田が広がる景色のなかで一日中遊んだものです。

 

それは、私にとっても原風景といえるものですが、母にとってはまさに、細胞レベル、いえもっと言えばDNAレベルで懐かしく恋しいものに違いありません。

 

母に見せてあげたいな~

 

水田が広がるこの景色を。

 

ふるさとの、阿武隈川に通じる真っすぐの農道を、母の車椅子を押して一緒に歩きたい。

 

そんな衝動に駆られました。

 

誰しも、年を重ね身体に不自由が増えてきたり、心細さや不安に駆られるようになると、幼いころの記憶が繰り返し思い出されるようになるようです。

 

生まれ育った環境や、家庭のこと家族のことが、無性に懐かしく感じられるといいます。

 

ましてや認知症症状が始まれば、あたかも自分が娘時代に帰ったかのように、思い出のなかに生きているようになることもあります。

 

私は、ご高齢者のそのような心理を愛おしく感じます。

 

そのような甘やかな思いにそっと寄り添い、幸せな幼少期を再体験させて差し上げたいと思います。

 

稲穂を見た感動から、思いはやはり母へ、そして全てのお年を召した方へと移ろっていくのでした。