世の中の風潮は、
問題はできるだけ早く解決すること
そして、そうできる人を高く評価しますよね。
でもね、人生には、
どうしても時間のかかかることがあります。
心の問題に関しては、特にそう。
時間のかかることには、時間をかけることが大切です。
たとえば、
傷ついた心が本当の意味で癒されるのには時間がかかります。
でも、
本当の意味での癒しが起きたとき、本当の意味での成長がそこにあるんです。
PTSD(心的外傷後ストレス障害)に対して、PTSG(心的外傷後ストレス成長)という言葉があるのですが…
これは、
心が深く傷つくネガティブな体験を通して、むしろ、人の心は成長していくという考え方なんですね。
辛く苦しい逆境を乗り越えていった人は、その時の経験を振り返って、よくこんな言葉を口にします。
「あの時の体験があったから、今の自分がある」
「あの辛い日々があったからこそ、強くなれた」
解決すること、答えを早く出すこと、それだけが能力ではない。
解決しなくても、訳が分からなくても、持ちこたえていく。
消極的に見えても、実際には、この人生態度には大きなパワーが秘められています。
どうにもならないように見える問題も、持ちこたえていくうちに、落ち着くところに落ち着き、解決していく。
私たち人間には、
底知れぬ知恵が備わっていますから、持ちこたえていれば、いつか、そんな日が来ます。
自分の中にあるネガティブな要素。
そして、自分に起きてくるネガティブな出来事。
それらを通して、人は時に深く苦悩することになりますが、それらを通して、人は大きく成長していけます。
ネガティブを安易に切り捨てることなく、そこに大きなパワーが秘めらていると信じて、自分のネガティブを力に変えていってほしいと思います。
願いを込めて
加藤絢子