【プロミシング・ヤング・ウーマン】
映画.com解説
Netflixオリジナルシリーズ「ザ・クラウン」でチャールズ皇太子の妻カミラ夫人役を演じ、テレビシリーズ「キリング・イヴ Killing Eve」では製作総指揮や脚本を担当するなど、俳優・クリエイターとして幅広く活躍するエメラルド・フェネルが、自身のオリジナル脚本でメガホンをとった長編映画監督デビュー作。ごく平凡な生活を送っているかに見える女性キャシー。実はとてつもなく切れ者でクレバーな彼女には、周囲の知らないもうひとつの顔があり、夜ごと外出する謎めいた行動の裏には、ある目的があった。明るい未来を約束された若い女性(=プロミシング・ヤング・ウーマン)だと誰もが信じていた主人公キャシーが、ある不可解な事件によって約束された未来をふいに奪われたことから、復讐を企てる姿を描く。主人公キャシーを「17歳の肖像」「華麗なるギャツビー」のキャリー・マリガンが演じ、「スキャンダル」「アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル」や「スーサイド・スクワッド」で知られる女優マーゴット・ロビーが製作を務めている。2021年・第93回アカデミー賞で作品、監督、主演女優など5部門にノミネートされ、脚本賞を受賞した。
2020年製作/113分/PG12/アメリカ
原題:Promising Young Woman
配給:パルコ
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
字幕:松浦美奈さんで腰が座りました。
この作品を補足しているのは今までに数えきれないほど見てきた男≒男社会の醜悪さで、この作品はそのエッセンスを巧みに抽出しているのだと思いました。だからこそリアルで恐ろしい。
凄いものを観ました。
劇中、ブリトニー・スピアーズの
♬Toxic
や
♬Last Laugh も良かったが、さらに重要な役割を果たすパリス・ヒルトンの曲
♬Stars Are Blind
歌の中で浮ついた男どもを冷ややかに見る冷めた部分がそのシーンにはピッタリ。
その後の展開には心痛むのですが、ラストに向けて流れるような緊張感の高まりと共に
『その終わらせ方!もうそれしかないですよね。。。』
と予感と恐れとほんのわずかな期待を一気に昇華させるあのラスト。
ここまで余韻をひく作品は今年度もう出て来ないと確信してしまいました。
エメラルド・フェネル、そして製作にも携わったマーゴット・ロビー、凄いものを作ったなと脱帽です。