私の相談ルーム 

 

私の汚い技術科準備室。

 

30年以上、ここで色々な人から色々な相談を受けました。

 

この部屋を一体何人の人が訪れたことか。

 

殆どは生徒でしたが時たま同僚の先生の相談も受けました。

 

自家焙煎したコーヒーと音楽。

 

保護会の後は教室よりもここの方が何故か落ち着くので(私もクライエントも)よく利用したものです。

 

写真の正面にスピーカーがありますがこれは長岡鉄男先生設計のスワンです。

 

たった10㎝の小さなスピーカーなのにクリスキットと相まって複雑なバックロードホーン型なので低音がよくでます。

 

箱の中央に鉛の粒を多めに入れていますので、ぼんついた感じは殆どしません。

 

「相談」にはこれが結構重要な役割をするのです。

 

質のいい音楽と居心地の良い空間、これがね。

 

手前には写っていませんが古い廃棄処分になった昭和レトロなカリモクのシングルソファーが対面ではなく90度の角度で鎮座していますg。

 

カウンセリングの本にクライエントと接する時は正面よりも90度が話しやすいとありましたので。

 

一年生はいきなり汚い部屋と言います。

 

そしてしばらくすると誰もそんなこと言いません。

 

保護者は最初は明らかに座るのに座るのに躊躇します。

 

しかし、意外にもカリモクのビニールレザーはピカピカ。

 

私は緑色の汚い、へたった布張りに座ります。

 

毎日、毎日生徒が変わるがわる座るので艶やかのなです。

 

保護者も諦めて座ります。

 

でも、お話が興にはいると誰も、この部屋の汚さに目がいかなくなります。

 

保護者会の後に毎回残る人は慣れたものです。

 

さっと躊躇なく座ります。

 

そうやって段々、この部屋に洗脳されて行きます。

 

居心地が大変よろしい、というよりよろしくなっていくのです。

 

ボリュームを落とした静かな質の良い音楽。

 

お話もしやすい。

 

欠点は誰も帰りたくなくなること。

 

私は、この部屋にどれくらい助けられたことか。

 

私物化技術準備室。

 

一度あなたにも来てもらいたっかった。

 

私にとって、ここは今でも心の中の永遠の宝です。

 

 

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