学校生活 41 花村萬月さんの作品との出会い
勤めていた普通部の図書室での事。
私はフラフラと興味のある書籍を見つけると最後にある図書カードを見る癖があった。
誰が借りたのかな?
このことは図書司書の先生からよく咎められた。
それでも見たい。
フォフスタッタの「ゲーテル・エッシャー・バッハ」があった。
ゲーテルの不完全性、エッシャーの騙し絵の循環、バッハの数学的作曲カノンやフーがについて書かれている。
この本は分厚くてとても難解な数学の本。
私も未だに読み込んでいないなあ。
そんな本を3人も借りている。
中学生が!
読んだかどうかはでわなく、手にしたことが驚きだ。
次はどれどれ。
吉野源三郎「君たちはどう生きるか」
相変わらず人気だな。
そんな折、棚に一冊の本を発見。
それが#「ゲルマニウムの夜」だった。
ゲルマニウム・・・ 私はすぐにゲルマニウム・ラジオを思い浮かべた。
ゲルマニウムは半導体。
ゲルマニウム・ダイオード、一本で作るラジオ。
鉱石ラジオとも言う。
初めて作ったのは6年生の頃かな。
私にはとても馴染みのある電子パーツ。
作者は#花村萬月。
私はあまり現代の小説を読まないので、恥ずかしながら作者を知らなかった。
パラパラとページをめくる。
性的描写がすごい。
とんでもない内容だ。
中学生にこんな本を読ませていいのだろうか。
確かにゲルマニウム・ラジオを作って聞いたところから始まるが、内容はとんでもない。
私は思わず図書司書にそれを告げた。
彼女はただ笑っていた。
そこに国語の先生が現れた。
「先生、こんな本、中学生に読ませていいのですか」
「いいじゃないですか。それにこの本は芥川受賞作品ですよ」
私は腰を抜かした。
芥川作家、、、花村萬月という人が。
何でこの本が芥川賞なんだ。
学校の帰りに書店で「ゲルマニウムの夜」を買った。
その夜から丹念に読み始めた。
これは、ある少年の物語。
その生立ち、父親との確執、そして施設で見聞きした小児性愛のこと。
何故、これが芥川賞なのかおぼろげに理解し始めた。
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それから、私は花村萬月の作品にハマっていった。
彼の作品は、エンターテイメント、文学、歴史小説に分類できるかな。
どれも面白い。
今では殆どの作品を読んだ。
彼が直木賞SF作家の半村良に推薦されていたことも知った。
半村良の「産霊山秘録(むすびのやまひろく)」は若い頃の自分にはとても興味津々だった。
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花村萬月は最終学歴が中学校卒業。
しかし、その文体に表れる教養はとても奥深い。
どこかで、彼が絵画に興味があると云っていた。
自身、絵を描くらしい。
そういえば彼の作品に芸大のことがかなり詳しく書いてあったたな。
あれは「花折」かな。
そして、愛読書がルネ・ユイグの「見えるものとの対話」
これは、かなり古いフランンスの美術評論家の3冊からなる大著。
私はその存在を知らなかった。
古書で買い求めて裁断してスキャナーで読み込み、いわゆる「自炊」をしたけど、どうしても挿入図がいまいちはっきりしないのでもう3冊また新たに買い求めた。
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つい最近になって、また「ゲルマニウムの夜」に目を通した。
内容があまりにもタイムリー
そのまんま、#ジャニーズ問題
#ジャニー喜多川
小児性愛の描写。
かたや萬月さんのは聖職者の話、
かたや日本を代表するジャニーズ!
ショックである!