学校生活 8        普通部 始業式 1 

 2学期 始業式  サンテグジュペリ・食わず嫌いの話、読書の話・西田幾多郎 


 諸君おはようございます。


 何名かの人が松葉杖を持っていますね。大丈夫かな。

 

 皆、元気に登校しているのかな。

 

 それが私の関心事です。

 

長い夏休み、諸君も色々なことを学んだのではないかな。

 

今日はどんなお話をしようかと思っていたのだけど一つ、「食わず嫌い」と言うお話をしたい。

 

これは食べ物の話ではないですけど。自分自身の例でお話をしますね。

 

サンテグジュペリを知っていますか。「星の王子様」の作者。諸君はこの本、殆どの人が読んでいるかな。

 

私も小さいときに読みました。作者の名前は覚えていなかったけどね。

 

本は有名ですよね。

 

この作家の名前、発音しにくいし何んかこの本、私には幼稚ぽい感があった。

 

読んでもあまり自分が理解できないこともあってね。

 

夏休みの間に研修があって箱根に行くことがありました。

 

そこに「星の王子様ミュージアム」がありました。

 

前から箱根にそれがあるのは知っていました。仙石原にね。

 

よくその前を車で通りました。

 

しかし、絶対に行かない所の一つでした。

 

テーマパークが苦手なのです。何となく幼稚ぽいからです。

 

たまたま、テレビでサンテグジュペリの事をやっていました。

 

その番組で彼が郵便の仕事をしていて最後は空でいなくなってしまう、消息不明だね、

 

40歳台で死亡したことになるということを知りました。

 

そんなことも耳に入ったので「ミュージアム」に行って見ようと思いました。

 

中に入ると案の定、ミーハーぽい。何かピントこないと思いました。

 

しばらくすると案内のお姉さんがお話を始めました。彼についてね。

 

それを聞いているうちに段々その話引き寄せられて彼の色々な事が分かってきたのです。

 

今まで「星の王子様」は何だか自分には違和感があったのですが。

 

この人こんなこと考えていたんだとわかってきました。

 

彼はフランスの伯爵の家に生まれたこと。

 

サンテグジュペリは氏名の氏(うじ)だった事。

 

そんなことから何故、「星の王子様」を書いたのかも分かってきました。

 

それから知らなかったのですが「星の王子様」は日本でだけそう呼ばれているということも分かりました。

 

あれは英語でも小さな王子様と書いてありますね。

 

そんなことわかることなのだけど、私は恥ずかしながらその時の説明で知りました。

 

その「星の王子様」という訳が自分に取っては幼稚ぽかった。

 

そんなことで、ここへきてサンテグジュペリが自分にとってぐっと身近な存在になってしまいました。

 

不思議なものですね。全く彼に興味なんかなかったのにね。

 

説明を聞いてからでね、興味が出てきたのは。

 

そこでわたくしの食わず嫌いに喝を入れられた思いでした。

 

その館を出てきたときには色々な事がわかってしまいました。

 

彼は1900年生まれのフランス人、第二次大戦の時にフランスからアメリカに亡命をした事。

 

最後に若くして何故、飛行機で遭難したのかも何となくわかってしまいました。

 

ここでは言わないけどね。興味があったら自分たちで調べて下さい。

 

その後に彼に興味が沸くと不思議なことに耳が目が彼の情報をキャッチするようになるのですね。

 

フランス沖で彼の乗った飛行機が発見されたというニュースがあり、彼の飛行機をフランス沖で撃ち落としたというドイツ軍のパイロットも現れました。

 

タイムリーですね。

 

本当に人間ていうのは不思議。

 

まあそんなことで食わず嫌いは、非常に宜しくない、と自分を戒めていますよ。

 

※ この話はあくまでも水先案内が普通部部長時代に語った話   です

 現在の慶應義塾普通部とは何ら一切の関係はありません

3−2に続く