学校生活6−2 普通部始業式 2
とこれで私の話はここで終わるわけですが、3年生諸君、君たちは後何か月かで卒業ですよ。そんな君たちが今、ガタガタした感じで卒業して貰いたくはないですね。
始業式が始まる前に主事(教頭先生)が言われたように、式の時は怒られなくても自分を自主的に管理出来る。こういうことは非常に必要ですよ。
もし、3年諸君、君達を今、この壇上に揚げたら、1,2年生がどれくらい静かに私の話を聞いているか見てびっくりしますよ。その時「俺達、浮いちゃってんの」という感じがするのではないですか。
これは怒っているのではありません。マナーの事を言っているんです。勉強するにも何でも世の中には規律を守るというマナーがあります。規律というのは大切にしなければいけません。
その場の規律をね。今は話を聞く時です。聞くときは話を聞く。こういうことは怒るとしらけてしまいますね。私がここで「お前ら静かにしろ」と怒鳴ってしまうとしらけてしまいます。
これは規律とマナーの問題、自分自身の問題だから。人に言われなくても静かになる。でもですね。マナーを守ることは中々難しいのですね。そう言われてもですね。やはり人から言われないとマナーを守れない人がいたり。
そこで提案です。おしゃべりをしている人がいたら隣の人がトントンと注意して下さい。一人で喋っている人はいませんよ。必ず相手がいます。話しかけられたら「まずいよ」とサインを出して下さい。
ちょっとやってみますか?でしょ。だれもしゃべりませんよね。こういう風になるわけですね。
(会場は静寂が訪れました。)
今の日本にかけていること、わかりますか?お金はそこそこあるし、レジャーもできるし、そこそこ幸せなんではないですか日本人は。今の日本にかけている事はですね、「人はどうでもいいよ」ということですよ。
以前は「これはちょっとまずいぞ」という人が今は少なくなってしまった。この集団でもそうですね。お互いのことに非常に無関心。おしゃべりをしている人は話を聞いている人を妨害しているとは心にも思わない。
そしてしゃべり続ける。それが嫌だなと思っている人も喋っている人と関わりたくないから注意はしません。ただ黙々とうるさい中で我慢して聞いているのですね。
この時間が終わればいいとだけ思っているのかな。この考え、いけませんね。非常に単純なことなのですね。これはどこへ行ってもそうです。自分の関係ないことには知らんぷり。
だから、どんどんどんどん日本が変な方向に行ってしまっている。このことは少し皆で考えなくてはいけない問題ですね。特に規律を守るというマナーはそうですね。
この場は私は話すというある意味で規律があります。同じように君たちは話を聞くというマナーがあります。それで始業式が始まる。
この節目節目を日本人は大切にしてきました。これからも守ていかなければいけない。先ほどのゴマの話もそうですよ。風味とか日本人はそういう繊細な事を守てききました。
電動でパッとやってしまえばいいという風潮がおし押せてきています。でも今またその弊害を見直そうとする流れもあることは確かです。
これは大切なここですね。君達は世の中のリーダーになっていく人達ですよね。日本人の微妙なところ、微妙な感性を身に着けていかなければいけません。我が校の生徒として。
それではお話長くなってしましました。
※ この話はあくまでも水先案内が普通部部長時代に語った話 です
現在の慶應義塾普通部とは何ら一切の関係はありません
完
ps:私の方針で無理矢理に生徒を静かにさせることはしません。話の内容で聞いてもらうと言うスタンスを大切にしています。だから毎回、始まりはうるさいですかね。