相談事例 暴れる子
A君の件
A君を呼びました。
最近、やけに突っ張っています。
親とのトラブルらしいのです。
自分から喋りだしました。
両親ともに小言を言うらしいのです。
特に母親とまずいらしいのです。
父親とは胸ぐらをつかみ合う感じらしいのです。
家のあちこちの壁に穴を開けていると言っていました。
A君は一人っ子です。
私は彼に
「そこそこに反抗期をやりなさい」
と言って帰しました。
クラスのみんなも心配しているようです。
作品を評価していてA君の提出物に疑問が湧きました！
どうも一度作った作品ををヤスリ掛けして再提出した感じです。
放課後、A君を呼び出しました。
嘘で嘘を固めまくる感じです。
私との会話の中で徐々に嘘があばかれます。
でも、最後まで自分が作った物だと主張します。
そんな分けはありません。
あの組み方、あの塗装、あの材料、あの特徴のある釘。
どれをとっても普通部の卒業生の物に違いありません。
それを再提出したのでしょう。
恐らくその人は彼の家庭教師かな。
言い逃れですね。
でもいいのです。
私はA君をおとしいれる為に呼んだのではありません。
彼の嘘をあばいて自分の気を満足させる為でもないのです。
ただただ、彼のことが心配だったのです。
学校での、このところの彼の荒れよう。
尋常ではないのです。
家庭に問題があるのは分かっていたのですが、こんなにも早く彼との接触のチャンスが訪れるとは。
A君は私の前で大泣きに泣きました。
色々なことが分かっていても中々自分を変えられないと泣きました。
私は言いました。
「球技大会の野球で君は輝いていたよ」と。
人はカッコをつけなくても無心で行動していると皆んなから認められます。
君は変われる
それも今、今、この瞬間に。
と彼に言いました。
今日、家に帰ったら
お母さんに優しくしてあげなさい
君が親をちょっとだけ
面倒みてあげなさい
「でも何かを期待してはだめだよ。」と言いました。
今の彼には、まだこの意味はわからないかもしれません。
でも、
彼の顔に笑顔が現れました
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