相談事例 １−３
担任、本人、母親から相談されました
大意が損なわれないように
内容を少しだけ変更して書きます
担任はまだ若い教員
自分なりに一生懸命、B君のことを考えて度々面談を繰り返しているのにもかかわらず、彼は一向によくならないどころか悪ふざけを止めない。
そして母親からもクレーム。
流石にまいった様子で生徒指導の私に相談をしてきた。
B君は一年生、A先生のクラス。
私とは授業を通じて顔見知り。
母親は
最初、担任にかなりのアプローチをして何回も面談をしたそうだが埒(らち）があかず、生徒指導の私宛に手紙を書いた。
その後お話を私と何度もすることになった。
お話のアウトライン
担任（A先生）の目から見ると
クラスをかき回す生徒
動きの悪い数人に対してのイジメ
粗暴な態度
悪ふざけ
クラスメイトの財布を隠す
合同授業の時に隣のクラスの生徒の居場所を無理やり変
えさせた
授業中に先生に向かって少し早めにやめてと迫った
授業を妨害、うるさい
いくら注意をしても意にしない
母親にも問題があると思う
いわゆる過保護だと思う
本人（B君）の目から見ると
何てうるさい担任なんだ
担任は僕のことを全く信用していない
悪ふざけは軽いジョークのつもり
僕だけがやっているのではない
イジメなんかしていない、じゃれあっているだけ
やられたというのならどうして直接、僕に言わないの
学校へ行きたくなくなった
母親の目から見ると
担任は息子の話をよく聞いていてくれていない
担任から言われることを他の親に確認
全てのことを息子のせいにしがち
担任は息子を嫌っているとしか思えない
このままだと林間学校でまた担任に聴取を受けそう
夏休みを過ぎると不登校になってしまうのでは
自分の息子はとても心優しいと信じている
ケースとしてはよくあることです
担任サイドとしては一生懸命にB君のことを更生させようと何度も面談をしているのに努力が空回りして歯痒さが感じられます。
糠（ぬか）に釘と言うやつですね。
しかし、
問題はB君との初期の信頼関係の構築。
これ無しでは、いくらお説教（B君から見ると）をしても彼の心には届きません。
それと世間一般の常識はこういう子供には通用しない。
もともとワガママなのですから。
彼の心には事の善悪はありません。
全てが悪ふざけ。
だから説教は通じません。
脅しも通じません。
この辺りの事をいかにA先生にお伝えするかこれが肝です。
信頼関係、いわゆるラポールは
教育現場で一番大切です。
このままで行くとA先生は疲弊して辛いことになりそう。
そればかりかまだ若いので生徒の指導の成功体験が必要。
母親とのトラブルもかなりきついでしょう。
恐らく母親の方が年上だと思われます。
私は殆ど私物化した教科準備室（そこはいつもジャズが流れていてコーヒーのいい匂いが立ち込める場所、生徒はジャズ喫茶〇〇と呼ぶ）でいつも、
丁寧に長い時間をかけてA先生にアプローチをしました。まず、ここからを突破口とする。
A先生にラポールの必要性を懇切丁寧にお教えしない限り次の手立てはありません。注意するのはその後のことです。
彼は徐々に熱くなった頭を冷やして、私の話に耳を傾けました。
ジャズとコーヒーの香りも私に味方したかな？
本日も私を見つけて下さってありがとうございます。
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