生徒との相談
皆と馴染まないと言うか馴染もうとしない生徒がいました。彼は殆どクラスの誰とも口をきかずに黙々と一人で学校生活を送っていました。
学校行事がない時にはクラスは割と個人主義なムードで彼の存在を他の生徒は気が付かない感じで彼はただ一人学校生活を送っていました。
それが球技大会が近づくとクラスのムードが一変しました。掃除当番以外の生徒たちは放課後も慌ただしく運動着に着替えて教室を飛び出しました。
彼はどうかというとそんな動きを全く無視。放課後すぐに下校してしまいました。
担任としては彼を何とかしなくてはと思い、放課後に帰ろうとした彼をつかまえて話をしました。一向にらちがあきません。
彼曰く「興味のないことになんで自分が参加しないといけないの」
それとなく色々なこと、友達と仲良くするチャンスとか話しました。
彼曰く「なんで他の人と仲良くしなければいけないのか」
困りました。彼には説教に聞こえたのでしょう。自分のためになるのだよと言いましたが帰ってくる言葉は想像通り。
それでも何かとチャンスを見つけて彼と話す機会を見つけましたが、どうしてもだめ。私には彼の心を開くことができませんでした。
ところが、個人主義的な態度の彼を見逃さない生徒が現れました。仮にA君とします。馴染まない生徒をB君とします。A君はどうしてもB君を許せない。
皆が球技大会の練習で頑張ったいるのにと憤慨します。そしてそれは徐々にエスカレートしていきます。
まずいと思った私はA君を度々呼び出して話をしました。A君はクラスに目も向けないB君がどうしても許せないらしい。
人には色々なタイプがあるのだからとか、A君に手を替え品を替えて言ったのですがどうしてもB君の個人主義がカツンとくるらしい。
A君は自分はクラスを代表してB君を懲らしめてやると言いました。
この問題は大人の組織の中でもよくある話ですね。正しいいクラス経営というのが、もしあると仮定したら、A君はある意味で正しいとその時は思いました。
懲らしめるという事を除いて。（勿論、これは間違いですね！）
ある日、とうとうA君はB君に手を出してしまいました。
一人の生徒からのその時の報告を受けました。言葉の暴力から一段階エスカレーとしてしまったのです。
B君の保護者に事実関係をお伝えする為、それを見ていた複数の生徒から事情を聞きました。
皆が異口同音にB君が悪いと言いました。
A君が手を挙げたのは無理からぬと思う生徒もいました。
球技大会が近づくにつれクラスの多数の生徒の心にもB君の行動にイライラがたまったのでしょうか。
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