誰のためのカウンセリング? | あがり症・パニック症・対人恐怖は「あるがまま」で克服できる!

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不安障害を自ら体験し薬を使わずに自力で克服した、精神医学を学び続けるカウンセラーのブログです。
あなたの不安障害(SAD、パニック症、手や頭の震え、吃音など)の克服を、効果的かつ優しくサポートいたします。【個人セッション、グループセラピー】愛知・岐阜・三重

こんばんは~。


今日は、成田善弘先生の本、『精神療法家の仕事』を読んでいます。


読んでいるうちに、「これは絶対にしたくない」と思った内容に出会いました。


☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆


治療の途中でクライエントが来なくなり、中断してしまう理由の一つとして挙げられている事例です。



『また、患者は治療を受けるつもりで受診したのに、そこでの対応に失望して中断する場合もある。

たとえば強迫性障害の患者で悩み迷ったすえようやく受診したけれども、その治療者から「そんな馬鹿なこと気にしなくてよい」などと「一笑に付され」たり「片づけられ」たりして、自分の苦しみがわかってもらえないと感じて受診をやめたという人もいる。

こういう例は決してめずらしくない。』

(『精神療法家の仕事』成田善弘先生著(金剛出版/2003/P126)より引用)



悩み迷ってやっとの思いでカウンセリングを受けに来たクライエントの悩みを「そんな馬鹿なこと」と軽く扱い、感情に全く寄り添わないカウンセラーは、カウンセリングをすべきでないと思います。


しかも、クライエントからお金をいただいている上での行為ですから、本当にやめてほしいと思います。


これでは、クライエントの心の傷を大きくするだけですよね。


中断して正解だと思います。


私自身もカウンセラーとして、決してそのようなことをしないように心に刻んでおきます。


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そして、もう一つの事例。



『また大学病院などで研修医や学生が大勢いる前で話をきかれ、「あんな状況にはとても耐えられない」と中断する患者もある。』

(『精神療法家の仕事』成田善弘先生著(金剛出版/2003/P126)より引用)



これはまるで拷問ですね。


一体誰のためのカウンセリングでしょうか?


もし、社会不安障害で悩んでいた頃の私がこんな目にあっていたら、耐えられなくて、その場から逃げ出していただろうと思います。


それに、もし我慢してその場にとどまったとしても、絶対にカウンセリングは成り立たなかっただろうと思います。


そんな環境で、安心できるわけがないし、自己開示することも無理、大勢の視線の中で震えて、吃って、どんどん自分が惨めになって、心の中ではただただ「この場から逃げたい」と思うばかり。


もしかしたら追い詰められて、発狂してしまうかもしれません。


これは、トラウマになってもおかしくない状況ですよね。


お金を払ってこんな目にあうクライエントが、気の毒でなりません。


社会不安障害で悩んでいた当時の自分で考えると、お金をもらったとしても絶対に嫌がると思います。


なので、私はクライエントをこんな目にあわせることは決してしません。


その心の痛みを知っているだけに、それがクライエントのためのカウンセリングだとは到底思えないので、私には出来ません。


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本を読んでいると、思いがけないところで、思いがけない自分の感情に出会うことがあります。


その度に、その感情とじっくり向き合うこともセットで行なっています。


自分の感情を全て受け入れると同時に、自分という人間を細かいところまで理解する。


そのプロセスも、カウンセラーを目指す者としては、とても大切に思っています。


そして、カウンセリングは一体誰のために行うのかという部分は、いかなる理由があろうとも、守り通そうと思いました。



今日も、ありがとうございます!


皆さまが、笑顔いっぱいでありますように!



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