クライエントが記録した面接記録 (『カウンセリング解体新書』で学ぶ①) | あがり症・パニック症・対人恐怖は「あるがまま」で克服できる!

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こんばんは~。


今日は、菅野泰蔵先生の本、『カウンセリング解体新書』を読んでいます。


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ご協力、ありがとうございました!


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本の中に、興味深い事例が載っていました。


通常、カウンセラーが書く面接記録を、カウンセラーが書かずにクライエントに書いてもらった事例です。


著者が、あくまで形にこだわらずにクライエントのできる範囲で書いてもらったところ、クライエントは便箋に手紙のような形態で書いてきました。


その中から、著者の心が大きく動かされた部分を引用します。

(本記事は、2012/2/24に変更しています。)



『「このあいだの面接で、先生は・・・・・・とおっしゃったんですが、それがこの一週間、心に残りました

※クライエントが面接記録に書いた言葉


穴があったら入りたいとはこのことである。

私は自分がそのようなことを言った覚えがなかったのだ。

そんなことを言った気もするという程度である。』


『面接全体での、他の「重要な」ことはよく覚えているのである。

だが、彼女の心を一週間支配していたそのことは、まったく記銘されていなかったのである。』

(『カウンセリング解体新書』菅野泰蔵先生 著より引用)



これは、カウンセリングの場面だけでなく、日常生活でも普通によく起こりそうなことだと思います(この文章を読んだからこそ言えることですが)が、対話中にお互いの「重要な」ことの違いに気付くのは、容易ではないと思います。


著者は、このことから以下のように悟ります。



『おそらくこれまでのどの面接にあっても、このようなことが起こっていたにちがいないと私は悟った。

カウンセラー(私)が重要と思っていることとクライエントが重要と思っていることとのあいだには、いつもズレがあるのだ。

(『カウンセリング解体新書』菅野泰蔵先生 著より引用)



”カウンセラーが重要と思っていることとクライエントが重要と思っていることとのあいだには、いつもズレがある”


このことを頭に置いておきたいと思います。


自分だけが分かっているつもりになっていてはいけませんね。


あくまで”いまここ”にいるクライエントを、注意深く、理解していかなければと思いました。


次に、著者のまとめを引用します。



『自分が記録を書くときは、結局は自分の都合のいいように記録を書いているのだと私は思う。

クライエントが記録するとなれば、そればかりではいられないのだ。

その面接の評価はクライエントに託されるのである。


私たちがクライエントをどう見ているのかでなく、クライエントがカウンセラーをどう見ているのか、カウンセリングをどう評価するのかが少しは明らかになる。

そのズレを把握すること、そしていっそうクライエントの側に立つということ、それをダイレクトに示すのがこの方法であると思うのである。

(『カウンセリング解体新書』菅野泰蔵先生 著より引用)



”クライエントがカウンセラーをどう見ているのか、カウンセリングをどう評価するのか”


私は今日の内容を読んで、ときどき何らかの形(カウンセリングそのもののほかに)でクライエントからフィードバックをもらうようにしたいと思いました。


そして、認識のズレを少なくしていけるように、あくまでクライエントの側に立って、注意深くカウンセリングを進めていこうと思いました。


・・・と、書くのは簡単ですが、実際は簡単ではないと思います。


面接実習などで、地道に練習を重ねていこうと思います。



今日も、ありがとうございます!


皆さまの明日が、寒さを感じないくらい心が温まる一日となりますように!



↓読みやすく、スッと入ってくる深い本です。

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