行動化への対応 (『カウンセラーのためのアサーション』で学ぶ③) | あがり症・パニック症・対人恐怖は「あるがまま」で克服できる!

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こんばんは~。


今日は、『カウンセラーのためのアサーション』を読んでいます。


カウンセリングの過程において、クライエントが行動化(たとえば万引き、暴力、自傷行為など)することは、よくあることだと思います。


今日は、その行動化への対応について書いていきたいと思います。


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例えば、手首を切ってしまうことを繰り返す女性で考えて見ます。

(本記事は、2012/2/25に変更しています。)


その女性には、きっと自傷行為に対して”血を見るとほっとする”、”すっきりする”といった効用を感じている部分もあると思います。


そのため、それが嗜癖的行為となり、頭で分かっていてもやめられない状態になっているのだと思います。


このような場合、どのように相手と関わっていけばいいのでしょうか?



『むしろその行動のプラスの面について、クライエントと話し合うことが有効でしょう。

そしてそのプラス面を受容できるように援助し、その表現の仕方を、適切な自己表現に変えていけるようなかかわりも必要になります。』

(『カウンセラーのためのアサーション』平木典子先生、沢崎達夫先生、土沼雅子先生 編著より引用)



”プラス面を受容できるように援助し、その表現の仕方を適切な自己表現に変えていけるように関わる”


これがポイントですね。


それでは、具体的にどのような方法があるのでしょうか?


本の中に、バウアー夫妻が考案した「DESC」という方法が紹介されていましたので、それを引用します。



『課題解決場面や、うまく言えるか不安があるときなど、次のステップにしたがってセリフづくりをしておくことが、有効です。


D(describe)は、相手の行動を客観的に述べることです。

動機ではなく、その行為を述べます。


E(express)は自分の感情を表現することです。

その際、感情を爆発させるのではなく、穏やかに表現することです。


S(specify)では、相手の行動変容を明確に頼みます。

その時は具体的な行為で小さな変容を要求しましょう。


C(choose)では、結果を明確にし、脅威を与えず、結果に対する報酬やペナルティについても話しておきます。』

(『カウンセラーのためのアサーション』平木典子先生、沢崎達夫先生、土沼雅子先生 編著より引用)



あくまでクライエントを責めるのではなく、カウンセラー自身の気持ちや感情や考えを伝えることが大切とのことです。


次に、「DESC」の使用例を一つ紹介します。



D: 昨夜、また手首を切ったとあなたから聞きました。


E: あなたの苦しい気持ちやひとりぼっちのさびしさに耐えかねる気持ちを感じると私も辛いなと感じます。

でも体を傷つけることは、私は絶対反対です。私は、その行為は嫌いです。


S: その辛い気持ちを自分だけで解消しようとしないで、もっと面接の場でぶつけてくれませんか。

そして、自分を傷つけることはやめてほしい。


C: もし、一緒に考えていってくれるなら、私はどんな気持ちも受けとめます。


(『カウンセラーのためのアサーション』平木典子先生、沢崎達夫先生、土沼雅子先生 編著より引用)



このように、「DESC」は、相互尊重の精神を中核に持っています。


それが、たとえクライエントと対決しなければならないようなときでも、有効なコミュニケーションを生むとのことです。


もちろん、日常の場面においても、とても有効な方法だと思います。



今日も、ありがとうございます!


相互尊重の精神は、いつも持っていたいですね!



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