肯定的ストロークで心豊かに (『新版 カウンセリングの話』で学ぶ①) | あがり症・パニック症・対人恐怖は「あるがまま」で克服できる!

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こんばんは~。


今日は、TA(交流分析)の基本概念のひとつ、ストロークについて書いていきますニコニコ


TA(交流分析)とは、「人と人とのやりとりの分析」という意味を持つ

心理療法の体系です。ここでは、細かな説明は省きます。


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ストロークとは、もともと身体をなでたり、さすったりすることを言いますが、TA(交流分析)では、それに精神的な意味を加えたものをストロークと言います。


具体的には、言葉で褒めたり、目で同意を示すといった動作や、もっと広く

「私は、あなたがそこにいることに気付いていますよ」と、相手の存在や価値を認めるようなさまざまな刺激のことを言います。


そして、人間の心の中には無視されたくない、自分の存在を認めてほしいという基本的欲求があると言われています。


特に、赤ん坊の場合は、それが身体的・心理的な発達にも影響するようです。


ここで、今日読んでいる本、『新版 カウンセリングの話』に載っている事例を紹介します。



私は、TAのワークショップに出席した折、The Second Chance という記録映画を見る機会があったが、それはスーザンという発育の遅れた女の子の話であった。

スーザンは実際は一歳十ヶ月なのだが、体重は六・七五キロ、身長は七十一センチで、その体重は五ヶ月児、身長は十ヶ月児にしか相当しないものであった。

入院当時、スーザンは年齢相応に歩くこともできなければ、かたことを話すこともなく、ベビーベッドの上にうつ伏せになって体をゆすっているだけだった。

そして、人が近づくと、激しく泣き出し、さわられたり、抱かれたりするのを極端に嫌がっていた。


医学的な検査の結果はシロで、医学で証明されるような発育不全の原因は何も発見されなかった。

しかし、スーザンの問題は、両親が入院後三週間たっても面会に来ないことから解明されていった。

家庭訪問をしたソーシャル・ワーカーの報告によれば、母親はスーザンのことを「反抗的で、抱かれるのが嫌いな子」と認知しており、養育意欲をまったく示さなかったのである。


医師たちはスーザンの病名を「母性的愛情欠乏症候群」と名付け、ヴォランティアの看護係に付きっきりで身体的、心理的ストロークを与えるよう依頼した。

その結果、二ヶ月後には、体重は九・五キロ、身長は七十六センチになり、はいはいができ、人が近づいても怖がらず、笑顔が見えるようになっていった。


この記録映画は、スーザンが、その数週間後、母親がわりの看護係と、病院の廊下を歩いていく後ろ姿で終わっている。

そして、私たちに、子どもの発達にストロークがいかに重要かを教えてくれる。

(『新版 カウンセリングの話』平木典子先生 著より引用)



私は、これを読んで、「愛の反対は、無関心」という言葉を思い出しました。


悲しいことですね。


愛が得られない赤ん坊は、十分に育つこともできないのですね。


この事例では、看護係から身体的、心理的ストロークを得られて、本当によかったと思います。


そして、ストロークを求めているのは、大人も同じです。


人に対して、肯定的ストロークをたくさん与えることを心がけると同時に、自分もたくさん受け取って、心豊かに生きていきたいですねニコニコ



今日も、ありがとうございます!


皆さまの明日が、たくさんの笑顔に囲まれた心豊かなものでありますように!



↓コンパクトな本ですが、カウンセリングの理論や各種心理療法などについて幅広く学べます。


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