先日、サインアートプロジェクト・アジアン主催のアクセスコーディネーター講座を受講してきました。これは手話の勉強に関連して、身体表現、舞踏、演劇にも興味を持つようになり、様々な身障者と出会ううちに、いろいろな角度から社会や生活を見直してみようと考えています。御意!



講師は鯨エマ氏。彼女は女優でもあり、NPO法人シニア演劇ネットワーク理事長でもあります。また副業の障がい者ヘルパーの仕事をきっかけに、舞台演劇を障がい者にも楽しんでもらうことを考え始めたのが15年前。これまでの経験を踏まえ、演劇を創る立場の方に『考えていただきたいこと』『知っていただきたいこと』『これから挑戦できそうなことを探る』きっかけにしていただきたいという内容でした。



例えば劇場迄のアクセス方法。劇場での誘導や対応。車椅子利用者のケア。聴覚障がい者には手話通訳や字幕。視覚障がい者向けの音声ガイド作成など、障害の種類や度合いも人それぞれ違うけれど、ちょっとしたサポートでお芝居を楽しんでもらえないだろうか?

もちろん健常者と同じような理解は得られないかも知れないけれど、アクセシビリティやバリアフリーサービスとは何なのか?実践を交えた講座でした。



今回の講座で一番衝撃を受けたのが、目の見えない方も演劇を楽しみたいという願い。気持ちがあるということでした。少し調べてみると、イギリスはシェイクスピア文学を始め、演劇が国民の娯楽として根付いているそうです。



それは障害を持つ方に対しても同様で手話通訳、字幕投影、また見えない方のために音声ガイド、舞台説明会などがあらゆる劇場で提供されているそうです。

しかも、これらの情報が公的な組合や団体によって集約、提供されていて、経費についても法的に保障されているのだそうです。



日本ではこのような団体や仕組みは、民間レベルでひっそりと行われていました。存在すら知らない人が多いのではないでしょうか?聴こえなくても・見えなくても観劇を楽しみたい方がいる!ならば台本貸出や手話通訳、字幕投影などを担う団体、公演主催者・劇場が増えて舞台芸術やアートを誰でも気軽に楽しめるようになればいいなあと、思いました。



「障害者の権利に関する条約」第30条には、障害を持つ方が文化的生活に参加し、その質的向上に寄与することを目指すこととあります。



今年の4月《障がい者差別解消法》が施行されました。この法律も一般的には知られていないと思いますが、日本も2020年オリンピック/パラリンピックに向けてここから変わっていくのではないでしょうか?



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※ 【障がい者差別解消法】

『全ての国民が障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共存する社会の実現に向け、障害を理由とする差別の解消の推進する目的』の法律です。2016年4月1日施行。