「この子(2歳)、毎晩夜中に起きては大泣きをします。

 なんでなのか全然わからなくて・・・どうしたらいいですか?」


片道25kmの山道を越えて、

小さな子どもさんを連れて相談に来られたお母さん。


目の下にはクマ。

寝不足と、子どもさんの抱っこで、

腰も、肩も、腕も、だるくて痛いそう。


どこか悪いところがあるの?

ストレスがたまっているの?

色々悩まれていたようです。



夜泣きは生後半年頃から始まり、1歳を過ぎれば治まってくるものですが、

2歳過ぎまで続く子どもさんもいます。


人間の睡眠は、深くなったり浅くなったりを一晩で4~5回繰り返しますが、

小さな子どもさんは浅い眠り(半覚醒)のときに夜泣きをしやすくなります。


まず・・・

 □ 昼間は元気でしたか?

 □ 食事はしっかり食べれましたか?


 健康問題ではないか確認します。

 体調の悪いとき、疲れたときは夜泣きをしやすくなり、

 病気への注意が必要になります。


次に・・・

 □ 就寝前に子どもさんを興奮させない

 □ 就寝前に空腹や満腹になりすぎないようにする

 □ 昼寝を含め、一日の睡眠時間を考える

 □ 昼間にしっかり体を動かす

 □ アトピー性皮膚炎、汗疹(あせも)などは適切なケアを

 

 これらが、夜泣きの予防方法として紹介されます。


ですが、根本的な解決にはならないことが多いと思うんです・・・。


夜泣きは一時的なもので、

ある部分の感受性が突出して鋭い子に夜泣きが多いとの説もあります。

そう考えれば、将来が楽しみに思えて・・・きませんか。



夜泣きというより、睡眠障害の場合もあります。

夢間遊行症(夢遊症)や夜驚症は、幼児期によく見られる睡眠障害で、

心配のあまりいらないものです。


夢間遊行症とは?

  睡眠中に突然起き上がり、

  昼間のように部屋の中を動き回ったりするもの。


夜驚症とは?

  ぐっすり寝ていたと思ったら汗びっしょりになって泣き叫び、

  パニックを起こしたようになる。


※どちらも10分くらい続いて、再び眠りに入ります。

  成長に従い、自然と治まっていきます。

  本人は寝ぼけており、何をしたのか覚えていません。

  睡眠不足になることもないそうです。



子どもさんの心と身体の心配に加え、

泣き声で、ご近所の方や同居家族を起こすのではないかと

ハラハラしたり、

何よりも自分も寝れない!体力的にしんどいですよね。


絶対にひとりで抱え込まないでください。

ダンナさんや家族に味方になってもらうことが一番の対応だと思います。


「手伝ってほしい」、「助けてほしい」と言えること、

これって子育てでとっても大切なことだと思うんです。


確かに、お父さんもお仕事で疲れて大変ですが、

お母さんははるかに短い睡眠時間で。


最初はお父さんだって、

お母さんと同じように上手にあやせないかもしれないですが。

練習、練習。


  背中をトントンしたりして歌を歌いながら近所をひと回りでもいいですし。

  夜風と振動の心地よさでぱたんと眠ることも。

  ただ、「泣きやませよう」と必死になると、

  赤ちゃんにも伝わりなかなか泣きやむことができません。

  赤ちゃんに話しかけながら、二人での散歩を楽しんでみてください。


  夫婦のどちらが疲れているかで、その日の当番を決めたり、

  泣きやませる工夫を話し合ったりと、

  子育ての壁を夫婦で乗り越える努力ができれば、

  二人の絆はより一層強まるはずです。


ご近所にも「うちの子は夜泣きがひどくて・・・」と

あらかじめ断って理解をしてもらいましょう。



上記の相談は2歳の子どもさんでしたが、

乳児(1歳未満)の子どもを持つお母さんからも相談を受けます。



生後~6ヵ月・・・・・・生理的な欲求(空腹・眠い・痛い等)を訴える

             たそがれ泣き

生後6~7ヵ月・・・・・・頑固な夜泣きが始まる  

              人見知り泣き(~1歳)

生後8~10ヵ月・・・・・・夜泣きのピーク

               あと追い泣き(~1歳)

生後9ヵ月~1歳半・・・・・・かんしゃく泣き



赤ちゃんにとっての「泣き」はストレス発散の効果があり、

泣いたときの涙を調べるとストレスを下げるホルモン値が

高くなっていたというデータがあるそう。


「泣きやませなきゃ」といつも思わずに、

赤ちゃんは泣くことも仕事ですから!



(参考文献)

1.汐見稔幸ほか、はじめて出会う育児の百科[0~6歳]、小学館:2003

2.松尾宣武ほか、小児看護概論・小児保健、メヂカルフレンド社:2004


(注)

実際に悩まれているお母さんは、

当ブログだけで判断されず、身近の相談機関をご利用くださいね。