晴れる屋まゆこです



ある日突然、親が倒れたことで
しばらくブログをお休みしていましたが、
(なのにアクセス数が上がってるありがたさ)
究極の状態での心の動き、
その間の人間模様、
その間の出来事を私なりに記録
しておこうと思います。





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〜 いざ実家へ〜



京都から急いで戻り、
ほとんど眠れずに朝を迎えた。




ただただ重苦しい心。
むせび泣くこともせず、
ただこれから乗り込む暗黒のセカイのことを思い落ち着こうとしたのか、
朝起きて、ゆっくりと家の片付けをした。




(お母さんに介護されてたお父さん、家に一人で大丈夫だろうか。。)



聞くところによると近所のKさんに病院に連れて行ってもらった後、コンビニで二食分のお弁当を買って夜と朝、食べたそう。




(もう、それを思っただけで切なくなる、、。)



8年前から病を患ってるお父さん、、
お母さんに甲斐甲斐しく介護されてたのに、
まさかお母さんが先に、、、。。




早朝、高校生の娘を送り出してから、
長野へと車を走らせた。
同じく都内に住む弟も向かっていた。




運転し始めたら涙が止まらなくなって、
(お母さん、お母さん、お母さん)と言葉が出てくる、そしてそのあとは、(ありがとう、ありがとう、ありがとう)と、、その言葉しか出てこなかった。




実家近くなったら、弟からTELが来て「今どの辺?」と。
弟が先に着いてるはずだったけど、どうやら一緒に実家に乗り込みたいのか?怖いのか?



そう思う私もこんな想像をしていた。


(家がゴミ屋敷になってないといいけど、、)

だって数週間前から痛みがあったというし、何をどうしてたんだろう。。




弟と落ち合い、悪夢のリアルに入り込むように実家に入ったら、、



(よかった、、、リビング、、ゴミ屋敷になってない。。)




それが最初の感想。
そして二階に上がりベッドに横たわるお父さんのところへ
「お父さん、、」



ちょっと落ち着いて家のあちこちを見て回ったら、1階の和室、洗面所、2階のお母さんの部屋にだけモノが散乱している。




それは、
「何かをしようと思ったけど、やり切ることが出来なかった。」
「通販でいろいろ買ったけど使い切れなかった」
というお母さんの意識がハッキリと読み取れる状態だった。


、、、だいぶ判断力も気力も落ちてたんだ。。


そう、
モノの状態から精神状態が分かる、というか。



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〜 主治医の告知〜



その後、弟の車で病院に向かう時、
前夜も朝もご飯が食べられなかった私は
胃液が上がっていたのか喋ってたら口臭がしたらしく弟がそっとガムを差し出して、ポンポンと手をさすってくれた。



ありがとよ弟。
キミも不安だろうに。



病院に着いたらお母さんがゴロンと横になってるベッドに行って手を握った。
母の手を握る、、、。
こんなこと今まで滅多に無かった、、が、
そのくらいの出来事だと思った。



母は久々に痛みが取れて安心しているのか、
思ったほどでもなかった。
それにガンと知っているのに、
その件に関してはケロっとしている様子。




でも重苦しい時間はまだ続く。
主治医との面談に母は首を横に振り、
弟と私だけが話しを聞いた。



CTスキャンで映し出された写真を見つつ、
「お母さん、相当痛かったと思いますよ。」
ということと、このままだと早くて3、4ヶ月。長くて1年半です。と告げられ、抗がん剤治療はどうしますか?
と。




その時のわたしの頭の中はグチャグチャで、
泣きもせずただ「母を苦しませず穏やかにしたい」とだけ言うのが精一杯だった。



聞けば母には余命のことは言ってないという。
けれど「手術できない」とは言ってるものの、
本人がよく分かってないようだ、とも。



病室に戻り母と話すも、
母の頭の中は自分の病気のことよりも「家のこと、父のこと、ボランティアのこと」などでいっぱいだった。




家のぬか漬けのことから、明日のボランティアの司会のことまで次々と話す。
それをちゃんとメモる弟。



そうだ、わたしのルーツである母の思考。
時代背景もあるけど「がんばる」ことしか知らない思考。



3週間前から痛かったのに、病院に行って入院になったらお父さんが困るからと、極限まで「ガマン」してたなんて最たるものじゃないか。




(頭の中が、自分以外のことでいっぱいなんだな)



そう思った。
そう思いつつ、
お母さんが次々と話す言葉をただ聞き流していた。(たくさん、、溜まっていたんだな、、。)



一方的に電話してきて溜まった思いを話すような人だったらこうはならないだろう。
社交的ではあったけど、一人で抱え込んだ思考のようなその話しっぷりを、私の重苦しい心はただ聞いていた。




負けず嫌いでガマンする人。



それが母、だと思った。。




つづく。