「お互いのために別れよう」



「お前は、ひとりでも生きていける」



「お前に、オレは必要ない」






確か、そんなふうに言われたかな。


ずいぶん前のことだけど、


そう、電話で告げられた。








その瞬間は、目の前が真っ暗になって、


絶望的になって、







ついについに言われてしまった。


その時が来た・・・って思ったっけ。







くやしまぎれに「私もアナタのこと好きだけど、


愛せなかったよ!」と、言ったりして、


言いながら「ヒドイ女だな」と思ったり。







そして、後から悲しみと絶望感が襲ってきて、


友だちに電話しまくったり聞いてもらったり、



別れたことを報告したりして随分と励ましてもらった。







そんな時、たまたま実家の母からTELがあって。。






恋愛相談とか彼のこととか、


普通の悩みすらも話せるような存在じゃない母。








実家にいた頃は、よく対立して、


そしてお互いに謝らず、


分かり合おうとせず、








そんな母親を残念に思い、


頼りないと思い、


心の中でバカにしていた。





でも、電話が来たから一応「報告」として話した。








「彼と別れちゃったのよ。」







そしたら、母がこう言った。





「なに言っちゃってんのよ」と。


しかも薄笑いで。








その時、私は・・・・・




驚くなかれ、





その薄笑いの心無いような言葉で、






一瞬にして「心が軽くなった」のだ。







話を聞いてくれた友人たちは、すごく同情してくれた。


有難かった。


私も話しながら泣いた。






でも、その後の、


母のこの言葉で、



一瞬にして涙が引いたのだ。







順番が良かったのかもしれない。


辛さを吐き出し、友人たちに受け止めてもらい、


そして、


「なに言っちゃってんのよ」と。






この言葉の後には、こんな風に続きそうだった。








「大したこと無いわよ」



「そんなの」



「人生もっといろいろあるわよ」



「たかだか一人の男との失恋じゃない」





今、書いてみても、


とてもヒドイ感じに聞こえる、


慰めの一言もない。





けれど、






どんなに険悪だった母親と言えど、


人生の先輩。






失恋もしただろうし、そして結婚して、


私を産んだ。






彼女にとったら、失恋なんて「点」でしかないと



そう思ったんだろう。






それはそうかもしれないけど、


もっと言い方があっただろうに。


不器用だよ。あまりにも。






けれど、不覚にも「なに言っちゃってんのよ」は、




その辛い「問題」「出来事」を、



一瞬にして「点」と捉えることができた。





ただ、本当に、順番が良かったとは思うけど(笑)









今、起こった出来事で十分に悲しんでいい。



苦しんでいい。泣いていい。






そして、ちょっと思ってみて欲しい。



「別れよう」という、あの人の言葉、





「アナタが、相手に言わせてるかもよ」




「うん、言わせたねぇ。」



「言ってもらったかもね。」





・・・・・・・・・




カウンセラーになった今は、

そうアナタに伝えるかも。







あの失恋の数十年後、


全くの別件で絶望して心屋塾に辿り着いて。





京都で心屋ぢんさん に何か悲しくて深刻な話を告白した時。


そういえば、彼も同じだった。






私の訴えを静かに聞いてくれた、最初はね。


そして、考えたこともないことを突如言ったのだ。


それを言いながら、、、





薄笑いしてた。



あの時やっぱり、うっすら笑みを浮かべてた。






「それ大丈夫だから」


「ただの人生の点だから」と言わんばかりに。






その、笑みはふざけてる訳でもなく、


私を軽んじてる訳でもなく、



ただ、




「大丈夫だから」




そう見守ってくれた愛だった。






ってーーーと?


母親の、あの言葉も「愛」だったのか。。



・・・・・・・・





分らなかった。分かりにくい。


あまりにも。(ノ_・。)





あの時、一瞬で心がラクになったことすら、


認めたくないほど母を恨み、






あれからもずっと拗ねて人生を送ってきたのかと思うと、






そんな自分を、薄笑ってしまう。




ふざけてる訳でもなく、


自分を軽んじてる訳でもなく、








ただ、


お疲れさま!良かったね!と、


そんな気持ちを込めて。







扉の向こう側へ~



埼玉 心屋流カウンセラー


晴れる屋まゆこでした。





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