「最新の学術研究から導いた、よりよい人生を送るための思考法」

「この複雑な世界を生き抜くための、鮮明なる指針。」

という文言に興味を惹かれ、手に取った。

 

著者が、とても博識であるのが伝わる。

例えも分かりやすく、古今東西様々な人たちの引用も多く、説得力がある。

 

全体を読んで感じたのは、「すべては自分」ということと「自分軸を持つことの大切さ」。

それらは直接的にそのような表現はされていない(と思う)が、そこに集約されている気がした。

 

私が心掛けようと思ったことは、

・質の良い小説を読む(疑似体験)

・一般教養よりも専門的知識を深める(私の場合、学校臨床)

・自分を重要視しすぎない(謙虚であること)

ということ。

 

でも、納得できなかったことがあった。

それは、「自分の感情に従うのはやめよう」という章。

 

人間の感情は複雑で、自分で分かりきることはできないから、

「過ぎ去っていく鳥のように」感情を捉えようという感じだと思う。

ネガティブな感情に振り回される必要はないという、前向きなメッセージだとも思う。

 

私は、それらの考え方はある一定の人にはあてはまるかもしれない、と思っている。

 

例えば、感情と向き合いすぎて、かえって泥沼にはまってしまう場合は、

「鳥のように自由気ままに行ったり来たりを繰り返すもの」と考えることも必要かもしれない。

 

ただ、人生全体では、やはり自分とじっくり対話をし、

自分の感情と向き合うことが必要だと思う。

 

著者も言っているように、もちろんそれらを分かりきることはできないだろう。

 

でも、敢えてそこに向き合ってこそ、成長できる面もあるのではないかと思う。

 

それと、

言葉にできなくても、体に感じる感覚として感情に向き合い、信じることも大切だと

思う。

 

著者も書いている「多面的で、複雑で、矛盾の多い存在」の私たち人間。

 

だからこそ

「感情」にも「思考」にも向き合っていくことが必要だと思う。

 

私は、カウンセラーとしてコーチとして、

人のそのプロセスに寄り添うのも、仕事の一つだと思っている。

 

ありがとうございます。

 

「子どもの笑顔とイキイキは、大人のイキイキから。」

こころの里カウンセリング 代表

 公認心理師・静岡県スクールカウンセラー

   山﨑里美