手術後の目覚めてからの長男の記憶。

麻酔からの目覚めという、私にとっては未知の領域。

私が、昼の面会で長男と対面するまでですが…


“うぅ…ん……?
ここは…どこだろう…?もしかして…

あぁ…ICUかぁ。言ってたもんなぁ、ICU入るって。
ということは、手術終わったんだ。

真っ暗だけど…何時だろぅ…”

しばらくは麻酔の影響か、寝たり起きたりのくりかえし。

人工呼吸器の管が入ったままだったけど、そんなに苦しくはなかった。

30分くらい経った頃、看護師さんが気付いてくれて

「手術おつかれ!」

と言ってくれた。
声は出ないし、体もだるくて動かせなくて反応できなかった。


寝てるのか起きてるのかは分からない。
ぼぉ〜っとなっていたような気がするが、男の人が来たと思う。

でもそれが先生だったのか、看護師さんだったのかは分からない。


人工呼吸器の管を抜かれたんだと思うが、はっきりは分からない。抜く時もそんなに苦しくはなかった。

その後、鼻から入っていた管(マーゲンチューブ)を抜かれたことははっきりと覚えている。ニュルニュルっと引っ張られ、


“うわっ!何?気持ち悪っ!”


と思った瞬間、咳込んだ。


“うっ、痛っ‼︎
うぅぅ…いたたたた!イッテェ!”


創が痛くてしょうがなかった。すると、先生か看護師さんに、

「咳するときは、創を押さえてね。」

と言われた。
酸素マスクを着けられて、また寝たり起きたり…


“もう昼ぐらいかなぁ?”

と思っていたのに、

「昼間の担当の看護師です。よろしくお願いします。」

と日勤の看護師さんが挨拶に来られて、

“えっ?これから昼なの?”

とビックリした。
ということは、オレが目覚めたのは夜中だったのかもしれない。
人工呼吸器も鼻のチューブも、夜中に抜いてくれたんだ!


朝の回診の時間だったんだろうか?
U先生が来て、

「体調は大丈夫?
リハビリを頑張れば、(ICUを)すぐ出れるからね。
ご飯もちゃんと食べれば良いから。」

と声をかけてくれた。

「はい。」と頷いた。


麻酔が切れてきたからか、背中の痛みと創の痛みが強くなってきた。
足の付け根も痛い。


特に、ベッド上でレントゲンを撮るときは最悪‼︎
動かしたり持ち上げたり…


“もう、オレの体に触らないで!”


と叫びたくなるくらいつらかった。


いつだったか看護師さんに

「水飲む?」

と訊かれたので、飲ませてもらったけど吐き気があって、間に合わずにベッド柵の方に吐いた。

すぐにナースコールを押して、きれいにしてもらった。


お昼からご飯が出たけど、全然食欲もなくて食べられなかった。


熱があってダルいし、背中が痛くて動きたいけど、動くと創が痛い!


お母さんが面会に来てくれた。


“みんなはどうしたんだろう?
いつ、帰ったのかな?”