手術当日の記憶。
長男が覚えている範囲で教えてくれた。
手術室前で別れてからの私の知らない話。とても興味深く聞いた。
“いよいよ手術室か…”
付き添いの病棟の看護師さんが、足で四角いペダルみたいなのを踏んだら扉が自動で開く。
“すげ〜!ここが手術室?
いや、手術室の前の部屋だ。へぇ〜!
うん?オレの名前を呼んでる。
あぁ、お父さんとお母さんか。
手術室入るのに何も言ってなかった。”
「じゃあね〜。」と手を挙げた。
入ってすぐ病棟の看護師さんから、
「そこに座って待っててね。」
と言われた。
長いすに座って待っている間に、病棟と手術室の看護師さん同士で、いろいろとオレのことを話をしていた。
手術室の看護師さんから、名前とどこの手術をするのか訊かれた。
「○○○○です。心臓の手術です。」
その後、はいていたズボンとパンツを脱いで、病棟の看護師さんに渡した。
手術室の看護師さんから、手術室に案内してもらう。
最初に入った部屋から右に曲がって、奥の一番広い部屋だった。
“めっちゃ明るいじゃん!
へぇ、機械がいっぱいある。
7〜8人ぐらいいるかな?
みんなオレの手術のスタッフなんだ。”
「ベッドに寝てね。」
と、1人の人に言われた。
“さすがにここは緊張するわー!
このベッドせまっ!
あ、でも意外とあったかいんだぁ。”
ストレッチャーぐらいの狭いベッドに横になったら、両足を固定された。
“あっ、K先生!もうK先生もいるんだ。
何だろうアレ?
眼鏡の上に小さい眼鏡みたいなのが付いてる。スゲ〜!”
「すぐ終わるからね。寝て起きたら、もうICUだからね。」とK先生。
「はい。」と答えた。
その後、胸の所までめくられて心電図をつけられた。
“あぁ、いよいよかぁ。”
自分から目を閉じた。
あとのことは全く覚えていない。