長男の三尖弁の状態では、
先生から検査結果を聞いてるうちに、私も形成できる状態なのか、不安になってきていた。
K先生は、
「普通一般の技術であれば、弁の形成はできないと言うと思います」
とおっしゃったK先生。
先生から検査結果を聞いてるうちに、私も形成できる状態なのか、不安になってきていた。
K先生は、
・もし弁に穴が開いていたとしても、心臓の周りにある柔らかいシートのような組織をパッチとして、穴を補填できる。
・もし糸(腱索)が切れていたら、三尖弁の場合普通はお手上げだが、僧帽弁での30年以上の経験を生かして、ゴアテックスの糸を繋いで、長ささえ調整すればできる。
・もし菌の影響で弁の前が全部飛んでいたら、自己心膜を弁にしてその先を糸みたいにして腱索を立てられる。
「長男くんの場合、形成としては一番難しいものになると思います。
だけどね、形成できると思います。」
よかったぁぁぁぁ!!!!
続けて先生は、
「100%言い切れないところがあるのは、(他のDrで)三尖弁で腱索を立てて治した人は見たことがないんです。
でもペースメーカーのリード線での三尖弁逆流とか、交通事故で腱索が切れて12本立てたこともあります。
それらを治してきたから、
技術を使ってきたからできるんです。」
三尖弁の場合、腱索が切れて弁が落ちていたら、普通なら即人工弁と言われてしまうそうだ。
でも機械弁にしろ、生体弁にしろ(詳しくは書きませんが…)メリット・デメリットがある。
特に三尖弁という場所は、
血栓ができやすいため機械弁では、ワーファリンを強めに使う必要があるらしい。
生体弁では15歳であれば、運が悪ければ3〜4年しか持たない人もいる。
『だからこその弁形成‼︎』
妊娠を望む若い女性なら、弁形成しかない。その必要に迫られて技術が磨かれてきたとのこと。
「患者さんに育ててもらったんですよ!」
と言うK先生の自信に満ちた姿に、ただただ尊敬と信頼の念しかなかった。
幸い、15歳という年齢・体格からリング(人工弁輪)も使えるらしい。
心肥大しているのでリングを使った方がよく、リングを使えない場合は、自己心膜をリングのようにすることができると。
「時間と共に良くなればいいが、これから悪くなっていく一方です。
今は感染もすっかり収まっているので、今が手術するチャンスです。
弁形成でなかったら、手術はしない方がいい!
多少、逆流が残ったとしても、絶対に弁形成がいいですよ。」
先生の言葉に、長男も私も顔を見合わせてうなずいた。
K先生にお願いしよう!と気持ちが決まった瞬間だった。