友人は偉かった | 心の風景

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心のあり方や生き方をテーマとしたエッセイなどを載せていきます。同好の方と交流できればうれしいです。

 このところ、国や地方の政治家がセクハラやパワハラで次々と辞職に追い込まれています。

 

 まだこんな人がいるのか、と思いましたが、時代は完全に変わりましたな。こういう人はやがて絶滅していくでしょう。

 

 そのニュースで思い出したのが私の旧友から聞いた話。まだ「セクハラ」という言葉もなかった昔のことですが、友人の勤めていたある支店で宴会がありました。

 

 その場で支店長が「率先」して女性社員に今で言うセクハラ行為に及んだそうです。(具体的なことは忘れましたが)。すると部下たちも悪ノリしてそれに加わったのです。

 

 当時はこういうことが日本中で起きていて、被害者は泣き寝入りが珍しくなかったと思うのですが、このときは保護者の1人が本部に猛烈に抗議したため、大ごとになってしまいました。

 

 支店長以下セクハラ行為を行なった人たちは本部の取り調べを受けることになったのですが、その結果までは残念ながら聞いていません。

 

 大事なのは、旧友がセクハラに加わらなかったことです。これは私からみれば偉いことです。私が当時その場にいたら、「支店長がやってるんだから」と調子に乗って同じことをしてしまったかもしれません。その方が支店長の覚えもめでたくなりそうですし。

 

 友人はそこを平然とやり過ごしたのです。当時の悪しき風潮に流されませんでした。たいしたものです。

 

 旧友は周りに好かれる人柄ですが、この件以降職場でますます株が上がったことと思います。