『ギリシア人の物語1』 | 心の風景

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 『ギリシア人の物語1 民主政のはじまり』/塩野七生/新潮文庫

 

 電子書籍化を待ってました! この人の歴史ものはよく読んでいます。純粋な歴史研究ではなくて、資料がなくても、人物の思いを自由自在に推理していく点に特徴があります。ですので面白い。私は余り大胆な想像は好まないのですが😅。

 

 本巻は「民主政のはじまり」とあり、確かにより多くの市民が政治に参加していく過程が描かれています。

 

 ですが中心はペルシア戦争です。あの有名なマラトンの戦いをはじめ、サラミスの海戦やプラタイアの戦いなどが詳細に描かれています。いや~、一般読者の好みを分っていますね😅。

 

 ただペルシア帝国は数にものを言わせて前進していくだけなのに対して、圧倒的少数のギリシア側は、天才的な指導者が知恵を絞って策略をめぐらします。戦いは、なんにも考えていなかったペルシア側がまんまと策にはまって惨敗するという展開を繰り返します。

 

 ペルシア戦争では何人もの英雄が活躍します。しかし、盛者必衰。足を引っ張る人たちは古今東西いるものですね。栄光を保ち続けるのは、本当に難事です。