何かを身につけると、身につけていない人を見下すようになることがあります。それではせっかく身につけたものがその人の値打ちを下げかねないと思うのです・・・。
若い頃の苦労は買ってでもせよと言われます。私もそう思います。
ただ、苦労した人の中には、それを「売り」にしているかのような人がいるみたいで・・・。
宗教時代の仲間が集まったときのひとこま。もうみな社会人で、すでにその時私は無宗教になっていました。
ある男性が、私が脱退したことをその場で知り、それが不満だったようで説教してきました。
曖昧な記憶をもとに私なりにその説教をまとめると、私は人生をなめて生きている。それは私が苦労していないからだということのようです。よく覚えているのは次の一言。「僕なんか人に言えないこともやってきましたよ」。
確かに私は人生をなめているようなところがありますし、たいした苦労もしていません。
しかし、やめたからといって、なぜ昔の仲間達の前で、そんなに偉そうに言われなければならないのだと気分が悪かったのを覚えています。
彼が「人に言えない」ようなことをせざるを得なかった境遇には言葉もありません。ですが、その日出席していた旧友達の中にも、口にしないだけで、大いに苦労をしている人たちがいるはずだという思いも頭をよぎりました。