ポーカーフェイスの罪 | 工藤 勝己のブログ ▫▪▫心かさねて▫▪▫

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『公務員の伝わる文章教室(学陽書房)』 の出版を契機に
このブログは産声をあげました。

2021年 5月 6日 『伝わる文章教室』初版発行
2024年 1月 9日 重版 4刷発行
2023年 5月 1日 『心をつかむ文章講座』初版発行
2023年 7月 24日『合格論文の極意』初版発行

日本が誇る 我らが二刀流王子

大リーグ エンゼルスの大谷翔平選手が

ア・リーグ 最優秀選手(MVP)に選出された。

 

30人の投票で決まるMVPだが

全員から1位票を得たという。

 

158試合に出場した大リーグ4年目の今季。

打者としては最後までホームラン王争いに絡み

リーグ3位の46本塁打を放った。

 

投手としても 23試合に登板。

9勝2敗、防御率3.18の好成績を残した。

 

注目したいのは奪った三振の数 「156」 だ。

大リーグのパワフルヒッターを相手に

真っ向勝負を挑み

1試合平均 7つの三振を奪ったのは

称賛に値する。

 

さらに注目しなければならないのは

盗塁の数 「26」 だろう。

投手が出塁した場合

走塁で体力を消耗させないように

ベンチも神経を使うのが常なのだが。

 

彼は、自ら走った。

そして、次々に塁を盗んだ。

投手と打者に加えて 走り屋でもある彼。

「三刀流」 と言っても 過言ではないだろう。

 

そんな彼だったが

MVP受賞が決まっても

まったく 笑顔はなかった。

 

喜びを爆発させろとは言わないが

ファンや恩師、チームメイトのためにも

満面の笑みを見せてほしかった。

 

ポーカーフェイスは罪だ。

いつから 「笑わない男」になったんだ。

僕は そう思った。

 

ところが

 

国民栄誉賞を辞退する

というニュースが

飛び込んできた。

「まだ自分には早い」

そんな理由から 固辞したという。

 

そういえば

 

27歳でMVPを獲得したが

今後の野球人生への意味は?

そう聞かれた大谷翔平選手が

次のように答えていたのを思い出す。

 

選手としてピークを迎える ここから5、6年が

勝負の年になる。もっと もっと努力したい。

 

最多勝も ホームラン王も 必ず獲ってやる。

とてつもない偉業を成し遂げてやろう。

そんな決意が 笑顔を封印させたのだろう。

 

自分にはできるという揺るぎない自信。

極限まで追い込んで 高次元の到達点へと

自らを昇華させようとするストイックさ。

常識を覆すことに こだわり続ける美学。

完璧なまでに 全てが彼には備わっている。

 

自分の限界を作りたくない。

だからこそ、「通過点」で もらう賞は

うれしくないのだ。

 

なるほど

 

そう考えれば、全てが理解できる。

「ポーカーフェイスは罪だ」 などと書いたことを

僕は 反省しなければならない。

そして、謝ろう。

 

来シーズンもまた

27歳から目が離せない。

 

 

道ばたで 羽を休める蝶を見つけた。

何月だと思っているの?

思わず 心の中でつぶやいた。

 

あったかい昼下がり

春と間違えて 生まれてきたのだろうか。

生まれたばかりの 瑞々しさを感じた。

 

大谷翔平選手も しっかりと翼を休め

来季に向かって

絶好のスタートをきってほしいな。

 

蝶を愛でながら そう思った。

 

 

 あなたが信じ込んでいる限界以外には

 あなた自身に いかなる限界もありません。

   (ジェーン ・ ロバーツ)

 

 限界には 限界はありません。

   (イビチャ ・ オシム)

 

 自分の限界が

 どこにあるか発見するためには

 自分の限界を超えて

 不可能だと思われるところまで

 行ってみる他はない。

   (アーサー ・ チャールズ ・ クラーク)

 

 限界をつくらない「心の才能」 こそ

 一流選手の条件

   (井村 雅代)