■「肩関節の痛み」について

 
最近「肩関節の痛み」についてのご相談が増えています。
肩関節を痛めると日常動作などいろんな場面で支障が出てしまい、大変つらいものです・・ガーン
 
ではなぜ「肩関節」は痛くなるのでしょうか?
 
当院でも次のような言葉をよく聞きます。
 
・心当たりがないけど徐々に痛くなってきた
・ある動作でひねってしまい痛くなった
・前からおかしかったけど、ある日から痛みが強くなった
 
うかがうとみなさんそれぞれで痛みの出方も違うようですキョロキョロ
 
ちなみにひとくちに肩関節の痛みといっても、状態により以下のようにたくさんの疾患名があるのをご存知ですか?
 
「病院でつけられる主な診断名の例」
1・四十肩/五十肩(肩関節周囲炎)
2・滑液包炎(かつえきほうえん)
3・肩関節腱板(けんばん)断裂、または損傷
4・上腕二頭筋腱炎
5・肩関節亜脱臼
 
(2と3は肩関節インピンジメント症候群と総称されることがあります)
 
しかも「肩関節の痛み」は一度出るとなかなか治りづらく、治療には相応の時間が必要です。
そこで今回は「肩関節が痛くなる」メカニズムについて少しお話ししていきたいと思います上差し
 

■肩関節における「肩甲上腕リズム」とは?

肩関節のことを理解するにはまず「肩甲上腕リズム」というものを知る必要があります。
 
「図解=肩甲上腕リズム」
 
肩甲上腕リズムとは「上腕骨が2動くと肩甲骨が1動く」という、上腕骨と肩甲骨の協調運動をさします。
(イラストでは腕が60度動くと肩甲骨が30度動くのをあらわしています)
 
正常な関節運動ではこのリズムが保たれていますが、「肩関節に痛み」がある場合ほとんどのケースでこの「肩甲上腕リズム」に乱れが起きています。
 
「肩甲上腕リズム」が乱れることで肩関節には無理が生じる、ということですね注意
 

■「肩甲上腕リズム」の乱れは肩こりなど一部の筋肉の緊張から起こる

「肩甲上腕リズム」が乱れると、かならず次の動作に支障が出ます。
 
・腕をあげる動作(洗濯物を干す、高いところに手を伸ばす、など)
・結帯動作(帯を結ぶ、シャツや下着の着替え、など)
・結髪動作(髪を結う、頭を洗う、ドライヤーをかける、など)
 
これらの動作は正しい関節運動があってはじめて可能となるものです。
 
※正しい関節運動=筋緊張のバランスが保たれ筋肉がスムーズに骨を誘導している状態
 
しかし肩こりや腕、背中のこりなど体の一部に過剰な筋緊張があると、上腕骨や肩甲骨の動きに異常が出てしまいます。
 
すると「肩甲上腕リズム」が乱れはじめ、運動のある角度で「骨が腱をはさんだりこすったり」と、関節構成組織にストレスがかかるようになってしまうんです爆弾
 
「痛み」とはまさにその運動を止めるための体からの警告に他なりません上差し
 
「肩関節インピンジメント症候群」
 
 
ではなぜ体は「痛み」という「警告」を出すのでしょうか?
 
それは無理な関節運動がつづいてしまうと、腱をはじめとする「関節構成組織」が壊れてしまうからですハッ
 
余談ですがよく巷でみかける「肩甲骨はがし」
これも「肩甲骨」の動きを取り戻すためのアプローチのひとつですね上差し
 
 
ここで先ほどあげた肩関節に支障が出やすい動作をもう一度みてみましょう。
 
・腕をあげる動作(洗濯物を干す、高いところに手を伸ばす、など)
・結帯動作(帯を結ぶ、シャツや下着の着替え、など)
・結髪動作(髪を結う、頭を洗う、ドライヤーをかける、など)
 
これらの動作ではそれぞれ関わっている筋肉が異なります。
 
ここでは詳細な筋は割愛しますが、我々専門家は問診と検査から異常を起こしている筋肉を特定しそれに見合ったアプローチを組み立てます。
 
さらに正常な関節運動を取り戻すためには、第一に硬くなった筋肉をやわらかくし機能低下している筋肉はトレーニングしなくてはいけません。(筋の再教育)
 
しかし最初に申し上げたとおり、肩関節の治療には相応の時間がかかります。
なぜなら痛みが出るまでには相応の時間をかけた問題の蓄積があるからです。
 
そのためには段階的な治療計画とセルフケアの実施は必須です
 
最後になりますが、関節の不調は痛いところだけを治療してもなかなか改善にはつながりません。
 
なぜなら「肩甲上腕リズム」のように、体はさまざまなパーツが役割を持ち協調して成りたっているからです。
 
痛み止めやステロイド注射がなぜ「対症療法」と呼ばれるのか。
 
「木を見て森を見ず」
 
その意味はこの言葉に集約されているのではないでしょうかキョロキョロ